【橋上駅舎化で近鉄八尾と張り合えるようになった】
1.概要
JR大和路線八尾駅は1989年5月に大阪鉄道の駅として開業した。1907年に国鉄の駅となり、1987年4月1日からJR西日本の駅となった。2013年7月には橋上駅舎が開業した。開業以来普通のみが停車する駅で、大和路快速をはじめとする快速電車は全て通過する。
2.八尾駅周辺
北側、南側ともに駅周辺の道路は狭い。2015年1月現在、南側のターミナルは工事中だが、これが完成すると、バスやタクシーの乗り入れもスムーズになる。北側に近鉄八尾駅があるが、2kmほど離れている。南側には八尾空港があるが、こちらも2kmほど離れている。地下鉄八尾南駅はさらにその南西方向にあり、3km以上離れている。駅周辺は住宅地で、近鉄八尾駅のように駅前に商業施設はない。
3.八尾駅構内
駅構内は対向ホーム2面2線で、竜華操車場があった時代には中線があった。このため、現在も上下線の間が1線分空いている。橋上駅舎にはハートインのコンビニがある。
4.バス路線
JR八尾駅のバス乗り場は北口のみにある。現在南口にターミナルが造られているので、今後南口にバスが乗り入れる可能性が高い。近鉄八尾、近鉄藤井寺、地下鉄八尾南、久宝寺などへの路線が乗り入れている。運行は全て近鉄バスである。
5.利用状況
八尾駅の乗車人員は大阪府データで2018年度が13,174人、うち定期9,808人となっている。10年前の2008年度データでは乗車人員13,348人、うち定期9,685人で、対08年度比では98.7%の利用となっている。漸減傾向であるが、定期客は増加しており、他の駅よりも減少幅は小さい。
八尾 | 乗車 | |||
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年度 | 総 数 | 定 期 | 定期外 | 定期比率 |
2018年度 | 13,174 | 9,808 | 3,366 | 74.4% |
2008年度 | 13,348 | 9,685 | 3,663 | 72.6% |
対08年度比 | 98.7% | 101.3% | 91.9% |
6.ダイヤ
大和路線普通のみが停車する。電車は全てJR難波行きで、データイム毎時4本15分毎、朝夕ラッシュ時は毎時6本10分毎の運転となっている。いずれの時間帯も久宝寺で大阪、JR難波方面への快速と連絡している。データイムは天王寺まで大和路快速乗り換えで9分、大阪までは26分かかる。JR難波へは快速との乗り継ぎがないため26分かかり、大阪まで行くのも変わらない。最終電車はJR難波方面が八尾発0時17分の普通JR難波行きで、同列車は奈良発23時42分のJR難波方面最終電車となる。上り奈良方面は、JR難波発0時26分の普通王寺行きで、八尾着は0時45分。八尾から奈良への最終は0時26分発の普通奈良行きとなる。
7.近鉄との競合関係について
近鉄八尾との競合は両駅が離れていることもあり、深く意識されることはない。JR大和路線はJR難波が終点で、近鉄大阪線は大阪上本町が終点のため、難波へのアクセスは乗り換えなしで行けるJRに軍配が上がる。しかし、近鉄八尾には準急、区間準急が停まるのに対して、JR八尾は久宝寺で快速乗り換えとなるので、ターミナルの立地だけでJR有利とは判断し難い。かつては近鉄八尾の方が、鶴橋経由でキタへのアクセスが便利だったが、近年大和路線の環状線乗り入れ列車の強化によりJRもキタへのアクセスが良くなっている。今後、新大阪方面へのおおさか東線延伸で、梅田への乗り入れも期待されており、同線と大和路線の直通が強化されるとキタへのアクセスが今よりも良くなる可能性はある。今後の拡張性という点ではJR八尾駅の方が期待が持てるのではなかろうか。