関西各駅探訪第157回~JR和歌山線・桜井線高田駅~

【大和の地でJR、近鉄の3路線が凌ぎを削る】

高田

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JR和歌山線髙田駅は奈良県大和高田市にある。北へ500mほどの距離に近鉄大阪線大和高田駅があり、南へ1.3㎞程の距離に近鉄南大阪線高田市駅がある。大和高田市の人口は約64,000人で、JR、近鉄の3路線が凌ぎを削り利用者の争奪戦を行っている。街の中心部は、JR高田駅の南西側になるが、近鉄大阪線大和高田駅周辺の方が、店舗などが集まり賑やかである。

高田駅は1891年(明治24年)3月1日に大阪鉄道の終着駅として開業した。1893年(明治26年)5月23日に大阪鉄道が桜井駅まで延伸し、中間駅となった。1896年(明治29年)5月10日に南和鉄道が当駅から葛駅(現在の吉野口駅)まで開業し、乗換駅となった。1900年(明治33年)6月6日に関西鉄道が大阪鉄道の路線を承継し、同社と南和鉄道の駅となった。1904年(明治37年)12月9日に関西鉄道が南和鉄道の路線を承継し、同社単独駅となった。1907年(明治40年)10月1日に関西鉄道が国有化され、帝国鉄道庁の駅となった。1909年(明治42年)10月12日に線路名称制定され、当駅を含む王寺〜和歌山市間が和歌山線となり、当駅もその所属となった。当駅から桜井方面は桜井線となった。1984年(昭和59年)8月に橋上駅舎化された。1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となった。2003年(平成15年)11月1日にICカードICOCAの利用が可能となった。2010年(平成22年)3月13日に路線愛称の制定により、桜井線の当駅〜奈良間で万葉まほろば線の愛称を使用開始した。2015年(平成27年)7月14日にキヨスクが閉店した。

高田

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駅構内は、ホーム2面3線で、和歌山線電車の他、桜井線(万葉まほろば線)電車も乗り入れている。2・3番線がホームを共有しており、データイムは2・3番線から各方面への電車が発着し、相互に連絡を図っている。

高田

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改札は1ヶ所のみで、みどりの窓口もある有人改札となっている。橋上駅舎で出口は2ヶ所ある。西口がメインの出口で、大和高田市役所が西へ800mほどの距離にある。

高田

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西口は旧市街地の様相だが、東口は新興住宅地の雰囲気が漂う。東口から北へ歩いて5分ほどの距離に近鉄大和高田駅がある。その途中にオークタウン大和高田があり、街としてはこちらの方が開けている。

高田

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東口側は、駅前に高層住宅が建ち並び新興の雰囲気が漂う。西口は駅周辺の道路も狭く、旧市街地の風情が強い。


2014年度の高田駅の1日あたりの乗車人員は、2,375人で、うち定期利用が1,688人となっている。定期比率は70%を超えており、定期利用が多い。10年前の2004年度には、2,813人の利用があったが、この10年で15%強ほど利用者が減少している。定期外利用が20%以上落ちており、かなり深刻である。通勤、通学以外ではなかなか利用してもらえないようである。近鉄大和高田駅もこの10年で、利用者を減らしており、競合関係で利用者を減らしているわけではない。ロードサイドに街が発展していき、駅前の旧市街地はどんどん廃れていくという地方の窮状がここでも見られるようだ。

  

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