【長野線が本線と思える分岐が歴史の生き証人】
近鉄南大阪線古市駅は大阪府羽曳野市にある。1898年3月24日に河陽鉄道の終点として開業した。河陽鉄道は柏原から道明寺を経て古市に至る鉄道で、後に富田林まで延伸された。その後、久米寺(現橿原神宮前)までの支線が造られたため、現在でも配線は長野線が本線で、南大阪線橿原神宮前方面が支線のような形になっている。周辺には古市古墳群があり、百舌鳥古墳群とともに世界遺産登録を目指している。古市は急行停車駅で、朝夜には一部の特急が停車する。
ホーム2面4線の橋上駅で、ホーム有効長は南大阪線の最大編成両数である8両分ある。運転上の拠点にもなっており、乗務員の交代も当駅で行われている。
朝夕ラッシュ時には当駅で増解結を行う列車が多く、その手際の良さには舌を巻く。
1・2番線は下り橿原神宮前、河内長野方面行きで、橿原神宮前方面行きは基本的に1番線、河内長野方面行きは2番線を使用する。
3・4番線は上り大阪阿部野橋方面行きで、3番線が南大阪線電車、4番線が長野線電車が発着するのが基本で、同時進入同時発車ができるようにしている。
改札は1ヵ所のみで、橋上駅舎内にあり、ICカード対応の自動改札機が設置されている。有人改札で特急停車もあるため、特急券の販売も行われている。
出口は2ヶ所で、西口がメインとなっており、南側にバスターミナルがある。
バスターミナルからは各方面へ向かう近鉄バスが発着している。駅からバスターミナルへは駅南側を横切る国道166号線を横切る必要があり、信号もないため、車通りには気を付けなければならない。
東口は白鳥神社や古市駅東広場があり、その東側に駐輪場などがある。
古市駅南側長野線沿いには古市検車場があり、天美検車場と並ぶ南大阪線の車両基地となっている。
古市駅には朝の上りと夜の下りの特急が停車する。また、PLの花火大会時にも特急が臨時停車することもある。
古市駅の2015年度1日あたりの乗車人員は10,419人で、うち定期利用者は6,722人となっている。定期比率は64.5%で、近年の数値としては妥当なところだろう。10年前の2005年度と比べると全体で11.8%減、定期利用者は16.7%減少しており、定期利用者の落ち込みが激しい。定期外利用者はほぼ横ばいで推移しているので、定期利用からICカードなどへの移行が進んだ結果と見られる。