阪急7300系【INV制御試験も実施した界磁チョッパ制御車】

7306F

7306F

会社名 阪急電鉄
形式 7300系
使用線区 京都本線・千里線・大阪市交堺筋線
制御方式 界磁チョッパ制御1C8M※1
主電動機 直流複巻電動機
定格150kW※2
ブレーキ 回生併用電気指令式空気ブレーキ
台車 S形ミンデン台車FS369A・FS069A
最高速度 110km/h
加速度 2.6km/h/s
減速度(通常・非常) 3.7km/h/s・4.2km/h/s
製造初年・メーカ 1981年 アルナ工機
電気方式/軌間/保安 直流1500V/1435mm
ATS,WS-ATC
座席定員 50人(定員140) 先頭車
56人(定員150) 中間車
車体/扉座席 アルミ製※3/18m級3扉ロングシート
編成 8両4M4T 6両3M3T 2両1M1T
既存両数 正雀車庫83両(2021年2月現在)
※1 増結用に造られた2両編成は1C4M方式を採用している。
※2 7310F編成はVVVFインバータ制御の長期実用試験車で、VVVFインバータ制御・主電動機180kWと仕様が異なる。
※3 当初製作された7300F・7301F6連については車体鋼製となっている。

阪急7300系は1982年から京都本線に投入された通勤型車両。神宝線に投入された7000系の京都本線版で、界磁チョッパ制御が採用された。車体は当初6両編成で投入された7300F、7301Fは鋼板、7302F以降はアルミで製造され、後に7300F、7301Fに8両編成化のため組み込まれた中間車もアルミ車体で製造された。主電動機は150KWの直流複巻電動機を採用。1C8Mの界磁チョッパ制御で、回生ブレーキ付きとなった。8両編成では4M4Tの構成となり、MT比は1対1となった。3扉ロングシートで、車内はそれまでの阪急電車の伝統を踏襲したグリーンのモケットのシートに、木目調の化粧板、アルミ製の鎧戸などが使用された。車体寸法は将来神宝線で車両限界が拡大されることを見込んだ標準寸法となり、地下鉄堺筋線直通にも対応した車体となった。

7300F

7300F

第1編成、第2編成は6両編成の鋼製車体で建造され、第3編成以降がアルミ車体となった。7320Fから運転室直後の座席に小窓が設けられるようになった。これに合わせて既存の編成も後に小窓設置改造が行われた。7310FはVVVFインバータ制御の長期試験車となり、GTO素子による1C4MのVVVFインバータ制御となった。同車では主電動機も180KWにアップされた。8300系投入後に登場した7327F+7307Fの編成はパワーウインドウの設置、濃い色目の化粧板を採用するなど、8300系に合わせた車内設備となった。

登場から20年以上を経て、2008年に大規模なリニューアル改造が行われた7320Fが再デビューした。内装は最新の9000系に合わせた仕様となり、外観もフロントマスクを中心に大きく改造された。前面ガラスは方向幕の位置まで拡大され、方向幕はフルカラーLED表示となった。フロントの印象は9300系とは異なり、どちらかと言うと後に登場した1300系とよく似ている。


  フロントマスクを大規模改造した車両は7320Fのみに止まり、2014年更新車体からは制御方式をIGBT素子によるVVVFインバータ制御に変更し、外観はナンバーの位置の変更、前面貫通扉窓の拡大などが行われたのみとなり、方向幕は従来式のもののままとなるなど、外観は原形を留めるものとなった。車内は最新の1300系に合わせた仕様となり、車内情報装置などは横長のHDディスプレイとなった。

2018年2月現在、83両全車が存在している。8両編成6本、2+6の8両編成が3本、8300系6両編成とコンビを組む2両編成が2本、2両増結編成が3本あり、中間車1両が休止車となっている。

←大阪梅田 京都河原町→
7300Mcp 7800M 7850T 7850T 7850T 7850T 7900Mp 7400Mc
140(50) 150(56) 150(56) 150(56) 150(56) 150(56) 150(56) 140(50)
7303 7803 7853 7863 7873 7883 7903 7403
7304 7804 7854 7864 7874 7884 7904 7404
7305 7805 7855 7865 7875 7885 7905 7405
7306 7806 7856 7866 7876 7886 7906 7406
7320 7800 7850 7860 7870 7880 7900 7400
7322 7802 7852 7862 7872 7882 7902 7402
7300Mcp 7450Tc 7300Mcp 7800M 7850T 7850T 7900Mp 7400Mc
140(50) 140(50) 140(50) 150(56) 150(56) 150(56) 150(56) 140(50)
7327 7457 7307 7807 7867 7877 7907 7407
7300Mcp 7450Tc 7300Mcp 7850T 7850T 7850T 7900Mp 7400Mc
140(50) 140(50) 140(50) 150(56) 150(56) 150(56) 150(56) 140(50)
7324 7454 7310 7990 7960 7970 7910 7410
7300Mcp 7450Tc 7300Mcp 7800M 7850T 7850T 7900Mp 7400Mc
140(50) 140(50) 140(50) 150(56) 150(56) 150(56) 150(56) 140(50)
7323 7453 7321 7801 7861 7871 7901 7401
7300Mcp 7450Tc            
140(50) 140(50)            
7300 7450            
7301 7451            
7302 7452            
※太字はリニューアル車

7020Fが2008年にフロントマスクの変更を含んだ大掛かりなリニューアル改造を実施した。7020Fのフロントマスクは9300系と似た外観になり、表示幕はフルカラーLED表示となった。車内情報装置には9300系2次車と同じくLCDが導入された。制御装置の変更はなく、従来通り界磁チョッパ制御のままとなっている。

7303Fからは前面フロントマスクは原型を留める程度の改造となり、貫通ドアの窓の拡大や車番の移設などが行われただけだが、足回りは大規模なリニューアル改造が施された。界磁チョッパ制御からIGBT素子によるVVVFインバータ制御に変更され、最新の1300系に合わせた仕様に変更された。車内も1300系と同様の仕様に変更され、ロングシートに仕切りが入り、車内情報装置も1300系と同様のLCD表示が採用されている。2018年2月現在、リニューアル改造車は7303F、7304F、7305F、7306F、7322Fの8両編成5本で実施されている。

  

鉄道コム

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