【大阪メトロ谷町線ガイド】
1.路線概要
会社名 | 大阪市高速電気軌道 |
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大阪メトロ | |
路線名 | 2号線 |
通称 | 谷町線 |
区間 | 大日~八尾南 |
営業キロ | 28.1km |
駅数 | 26駅 |
平均駅間距離 | 1.13km |
所要時分 | 53分 |
表定速度 | 31.9km/h |
軌間 | 1435mm |
電気方式 | 750V直流電化 |
集電方式 | 第3軌条 |
線路 | 複線 |
保安方式 | WS-ATC |
最高速度 | 70km/h |
最大編成両数 | 6両 |
大阪メトロ谷町線は守口市大日と八尾市八尾南を結ぶ28.3kmの路線で、大阪メトロでは一番長い路線となっている。他線同様大阪メトロ標準と言える第3軌条方式を集電方式として採用している。同線は御堂筋線に次いで2号線となっており、歴史も古い路線だが、延長を繰り返しているので末端部は比較的新しい。ラインカラーは紫で30系が2013年まで活躍を続けていた。
駅番号 | 駅名 | よみがな | 駅間距離 | 営業距離 | 所在地 | 開業年月日 |
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T11 | 大日 | だいにち | – | 0km | 守口市 | 1983年2月8日 |
T12 | 守口 | もりぐち | 1.8km | 1.8km | 守口市 | 1977年4月6日 |
T13 | 太子橋今市 | たいしばしいまいち | 1.2km | 3km | 大阪市旭区 | 1977年4月6日 |
T14 | 千林大宮 | せんばやしおおみや | 1km | 4km | 大阪市旭区 | 1977年4月6日 |
T15 | 関目高殿 | せきめたかどの | 1.1km | 5.1km | 大阪市旭区 | 1977年4月6日 |
T16 | 野江内代 | のえうちんだい | 0.8km | 5.9km | 大阪市都島区 | 1977年4月6日 |
T17 | 都島 | みやこじま | 1.3km | 7.2km | 大阪市都島区 | 1974年5月29日 |
T18 | 天神橋筋六丁目 | てんじんばしすじろくちょうめ | 1.3km | 8.5km | 大阪市北区 | 1974年5月29日 |
T19 | 中崎町 | なかざきちょう | 0.8km | 9.3km | 大阪市北区 | 1974年5月29日 |
T20 | 東梅田 | ひがしうめだ | 1km | 10.3km | 大阪市北区 | 1967年3月24日 |
T21 | 南森町 | みなみもりまち | 1.2km | 11.5km | 大阪市北区 | 1967年3月24日 |
T22 | 天満橋 | てんまばし | 1.8km | 13.3km | 大阪市中央区 | 1967年3月24日 |
T23 | 谷町四丁目 | たにまちよんちょうめ | 0.9km | 14.2km | 大阪市中央区 | 1967年3月24日 |
T24 | 谷町六丁目 | たにまちろくちょうめ | 1km | 15.2km | 大阪市中央区 | 1968年12月17日 |
T25 | 谷町九丁目 | たにまちきゅうちょうめ | 0.9km | 16.1km | 大阪市天王寺区 | 1968年12月17日 |
T26 | 四天王寺前夕陽ヶ丘 | してんのうじまえゆうひがおか | 0.8km | 16.9km | 大阪市天王寺区 | 1968年12月17日 |
T27 | 天王寺 | てんのうじ | 0.9km | 17.8km | 大阪市天王寺区 | 1968年12月17日 |
T28 | 阿倍野 | あべの | 0.6km | 18.4km | 大阪市阿倍野区 | 1980年11月27日 |
T29 | 文の里 | ふみのさと | 1.1km | 19.5km | 大阪市阿倍野区 | 1980年11月27日 |
T30 | 田辺 | たなべ | 1km | 20.5km | 大阪市東住吉区 | 1980年11月27日 |
T31 | 駒川中野 | こまがわなかの | 1km | 21.5km | 大阪市東住吉区 | 1980年11月27日 |
T32 | 平野 | ひらの | 1.7km | 23.2km | 大阪市平野区 | 1980年11月27日 |
T33 | 喜連瓜破 | きれうりわり | 1.4km | 24.6km | 大阪市平野区 | 1980年11月27日 |
T34 | 出戸 | でと | 1.3km | 25.9km | 大阪市平野区 | 1980年11月27日 |
T35 | 長原 | ながはら | 1.2km | 27.1km | 大阪市平野区 | 1980年11月27日 |
T36 | 八尾南 | やおみなみ | 1.2km | 28.3km | 八尾市 | 1980年11月27日 |
2.歴史
大阪メトロ谷町線は1967年(昭和42年)3月24日に2号線として東梅田~谷町四丁目間3.5kmが開業した。ATC・列車集中制御装置CTCを採用し、開業当初は2両編成で運転した。1968年(昭和43年)12月17日に谷町四丁目~天王寺間3.8kmが開業した。4両編成での運転を開始した。天王寺検車場が開設された。1969年(昭和44年)12月6日に路線愛称が谷町線となった。1974年(昭和49年)5月29日に都島~東梅田間3.1kmが開業した。初代20系(後の10系試作車)が投入された。1976年(昭和51年)10月25日に6両編成化が開始された。同年10月31日に6両編成化が完了した。1977年(昭和52年)4月6日に守口~都島間5.4kmが開業した。大日検車場が開設され、谷町線の車両が森之宮から大日に移管された。
1980年(昭和55年)11月27日に天王寺~八尾南間10.5kmが開業した。天王寺検車場が廃止され、八尾検車場が開設された。1982年(昭和57年)11月30日に御堂筋線10系量産車の大量投入により御堂筋線30系の一部が谷町線へ転属した。1983年(昭和58年)2月8日に車庫への入出庫線を営業線化し、大日~守口間1.8kmが開業し全通した。同時に都島~文の里間6分、守口~都島間及び文の里~八尾南間12分間隔をそれぞれ5分・10分間隔運転に変更した。1989年(平成元年)5月17日に20系電車(2代目)を投入した。
1990年(平成2年)4月に22系電車の運用を開始した。50系電車が撤退した。1997年(平成9年)8月29日関目駅を関目高殿駅に、四天王寺前駅を四天王寺前夕陽ヶ丘駅に改称した。2003年(平成15年)12月15日から平日ダイヤの始発から9時まで女性専用車両を導入した。
2009年(平成21年)3月18日に30000系電車が運転を開始した。2013年(平成25年)10月4日に30系電車の営業運転を終了した。2017年(平成29年)3月25日に日中の運行系統を大日~八尾南間とし7分30秒間隔運転とした。2018年(平成30年)4月1日に大阪市営地下鉄の民営化により、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の路線となった。
3.路線ガイド
大日は大阪モノレールとの連絡駅で大阪市内を外れて守口市内に駅がある。地上には大日車庫があり、運転上も重要な位置を占める駅となっている。ホーム1面2面で、東側は行き止まりになっている。大日車庫への線路は守口方で分岐している。大日を出ると国道1号線の下を走る。守口市役所付近にホーム1面2線の守口がある。駅の南側には京阪守口市駅があり、ここから野江内代まで大半の駅が京阪本線と競合している。大日車庫からの出庫の都合で、当駅始発が何本か設定されている。次の太子橋今市はホーム1面2線で、地下鉄今里筋線と連絡している。国道479号線大阪内環状線との交点にある。駅の南500mほどのところに京阪土居と京阪滝井がある。太子橋今市を出ると左にカーブして南西方向を向いて走り、大阪市旭区に入ってホーム1面2線の千林大宮となる。駅の東500mほどのところに京阪千林がある。
千林大宮を出てしばらく国道1号線を南下して行き、関目高殿付近で右にカーブして国道1号線と分かれる。関目高殿はホーム1面2線で、当駅から真っ直ぐ国道1号線を下ると京阪関目、今里筋線の関目成育がある。ここから民家の下を通って地上で城東貨物線が交差してホーム1面2線の野江内代となる。同駅から東へ500mほどのところに京阪野江がある。”のえうちえ”ではなく”のえうちんだい”と読む。2019年春にはJRおおさか東線北部延伸が完成予定で、この付近にJR野江駅ができる。野江内代から都島通の下に入り、都島区に入る。真っ直ぐ西進して行きホーム1面2線の都島となる。大日方に折り返し線があり、折り返し電車の運転も多い。
都島を出ると大川の下をくぐって北区に入ってホーム1面2線の天神橋筋六丁目となる。同駅では地下鉄堺筋線とそれと直通している阪急千里線と連絡している。同駅を出ると左にきついカーブを曲がって梅田へ向けて走り、JR大阪環状線との交点の手前にホーム1面2線の中崎町がある。大阪環状線の内側に入って梅田の街の下を走り、地下鉄御堂筋線梅田駅の手前で左に急カーブして御堂筋線と並行する形になりホーム2面2線の東梅田となる。同駅発着の電車は設定されていないので構内配線は単純だが、利用者は一番多い。大阪メトロでは東梅田、御堂筋線梅田、四つ橋線西梅田と3路線が集まりながらも駅構内をそれぞれ異にしており、乗り換えの際は一旦改札を出なければならない。連絡運輸はきっちり行われているが、東梅田から西梅田への乗り換えなどはかなり歩かなければならない。
東梅田を出ると少しだけ御堂筋線と並行して走り、国道1号線との交点で右にカーブして御堂筋線と分かれる。国道1号線下にはJR東西線も走っており次の南森町まで並行して走る。南森町は変形したホーム2面2線で、元々島式ホーム1面2線だったものを、JR東西線開業時にホーム2面2線に増設したため、トリッキーな配置になった。御堂筋線難波駅と同じような線路配置である。南森町ではJR東西線の他、再び地下鉄堺筋線と連絡している。
南森町を出ると右にカーブして谷町筋に入る。大川の下をくぐって京阪本線との交点にホーム1面2線の天満橋がある。このあたりは大阪城の西側にあたり付近には官庁が多い。次の谷町四丁目はホーム2面2線で、地下鉄中央線と連絡している。駅近くに大阪府警本部やNHKなどがある。さらに南下して谷町六丁目では地下鉄長堀鶴見緑地線と連絡している。谷町六丁目もホーム1面2線となっている。さらに南下して行き、谷町九丁目では地下鉄千日前線と連絡している。谷町九丁目はホーム2面2線である。同駅では一筋東側に近鉄大阪上本町駅があり、地下道で連絡している。
次の四天王寺前もホーム2面2線で、文字通り四天王寺への最寄駅で府警天王寺署や大阪星光学園なども付近にある。天王寺公園の前を走りJRとの交点の手前に天王寺駅がある。ホーム2面2線で、天王寺の南側に阿倍野駅があるため、他線よりも北側に駅が寄っている。JRとの乗り換えはそれほど不便ではないが、地下鉄御堂筋線、近鉄南大阪線へはかなり歩かなければならない。天王寺では地下鉄御堂筋線、JR大阪環状線、阪和線、大和路線、近鉄南大阪線、阪堺上町線と連絡している。
天王寺を出るとあべの筋を南下してホーム1面2線の阿倍野となる。近鉄大阪阿部野橋には少々遠いが、阪堺との乗り換えは天王寺よりこちらの方が近い。大阪阿部野橋と阿倍野は漢字表記が異なっている。阿倍野は阿倍野区と同じ倍を使用しているが、大阪阿部野橋は部を使用している。阿倍野を出ると左にカーブしてあべの筋と離れて阪神高速松原線に沿って走り、地下鉄御堂筋線との交点にホーム1面2線の文の里がある。八尾南方には折り返し線があり、北側の都島同様、折り返し電車が多く設定されている。御堂筋線には駅はなく、少し離れた南側に昭和町駅がある。
南東方向に走って行き、JR阪和線と交差してホーム1面2線の田辺となる。阪神高速松原線と一体の構造になっており、改札は地上にある。他線との連絡はないが、近鉄北田辺、今川、JR南田辺駅と比較的近い。さらに阪神高速沿いを走り、近鉄南大阪線との交点に駒川中野がある。南大阪線に駅はなく、少し離れたところに針中野があるが、乗り換えできるような距離にはない。さらに阪神高速の下を東進して平野区に入り国道479号線との交点で右にカーブしてホーム1面2線の平野となる。JR大和路線の平野は1キロほど北側にあり、連絡はしてない。ここからしばらく南下して長居公園通りとの交点で左にカーブして同通りの下に入り1面2線の喜連瓜破となる。難読駅名の一つで、きれうりわりと読む。八尾南方に折り返し線があり同駅折り返しの電車もラッシュ時を中心に運転されている。
ここから長居公園通りの下を走り、バスターミナルを併設する出戸となる。ホーム1面2線で、駅の上に出戸バスターミナルがある。かつてはJR阪和貨物線が走っていたが、今は廃線跡があるだけである。そのまま東進して中央環状線にぶつかるところで右にカーブして同道路の下に入りホーム1面2線の長原となる。長原の八尾南駅方で、八尾南車庫への線路を分岐しており、配線の都合などもあり、当駅始発が何本か設定されている。長原を出てしばらく南下して、左にカーブして掘割の状態で地上に出て終点の八尾南となる。同駅は八尾市にあり、駅北側には車庫が広がっているのが見える。