国鉄新快速ダイヤ変遷【1975年～1985年】

113系リバイバル新快速

新快速は大阪で開催された万国博覧会後の1970年10月1日ダイヤ改正で京都〜西明石間に6往復が新設された。停車駅は京都、大阪、三ノ宮、明石で、113系7両編成で運転された。万博輸送に就いていた113系スカ色を中心に運用されていた。1971年4月26日ダイヤ改正では下り5本、上り6本が運転区間を草津まで延長した。草津〜京都間では石山、大津に停車した。

1973年3月15日ダイヤ改正では、山陽新幹線新大阪～岡山間が開業し、山陽本線新大阪～岡山間で急行が廃止になった。これにより余剰となった153系を新快速に転用し、列車増発と冷房化などのサービスアップを行った。塗装も湘南色から白地に腰部にブルーの帯を巻いた専用塗装となった。国鉄内部でブルーライナーの愛称も付けられ、急行時代に前面部に掲げていたヘッドマークも流用され、新たにデザインされた新快速のヘッドマークが付けられた。京都〜西明石間は毎時1本60分毎から毎時4本15分毎の運転に増発された。毎時1本は草津まで運転され、この改正から新たに姫路まで毎時1本運転されるようになった。姫路行きは途中加古川に停車となり、姫路行きに限って西明石は通過となった。この当時の新快速は新大阪も通過しており、新幹線との棲み分けを意識した停車駅設定になっていた。

1974年7月20日に湖西線が開業し、新快速も直通運転を開始した。1日9往復が堅田まで直通した。湖西線内でも通過運転を行い、京都からの停車駅は西大津、叡山、堅田となった。夏季期間には近江舞子まで臨時延長運転を行った。1978年10月1日ダイヤ改正では神戸に追加停車となった。この時の新快速の停車駅は、草津から石山、大津、京都、大阪、三ノ宮、神戸、明石、西明石、加古川、姫路で、姫路行きについては西明石通過となっていた。

1980年から老朽化した153系を置き換えるため117系が投入された。当時の国鉄は赤字財政のため、新車を投入する際には全国標準車を製造していた。しかし、117系は標準仕様車である113系とは大きく異なり、並行して走る京阪特急、阪急京都線特急と同じ転換クロスシートを有する2扉車となった。導入に際しては本社と大阪鉄道管理局で紆余曲折あったが、晴れて1979年に第一編成が落成した。117系は153系ブルーライナーと同じ6両編成で、塗装はブルーライナー色は踏襲せず、かつての52系急電を彷彿させるアイボリーにマルーンの帯を巻いたものになった。6両固定編成で運用されるため、先頭車は非貫通型の流線型になり、この点でも流線型だった52系を彷彿させるものだった。117系は1980年にかけて順次増備が続き、1980年7月には6両編成20編成が出揃い153系の置き換えが完了した。117系はさらに1編成増備されて6両編成21編成の陣容となった。

117系投入後はダイヤ上は大きな動きはなく、1985年3月14日ダイヤ改正になって漸く動きがあった。同改正では新大阪に追加停車となった。これにより大阪～新大阪間での運転頻度が高くなり、新幹線連絡が便利になった。また、今回の改正で夕方にも新快速が新設された。本格的に運転されていたわけではなく試行的に数本が運転されていただけだが、ラッシュ時に運転がなかった新快速がラッシュ時にも進出したという意味では画期的なものだった。