山陽電鉄5000系【新生JRに対抗するためクロスシート車で登場した特急車】

5012F

会社名 山陽電気鉄道
形式 5000系
使用線区 阪神本線・神戸高速鉄道・山陽電鉄
制御方式 界磁添加励磁制御
1C4M
主電動機 直流直巻電動機
定格125kW
ブレーキ 回生制動併用全電気指令式電磁直通空気制動
台車 軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車KW-93、KW-35B
最高速度 110km/h
加速度 2.8km/h/s
減速度(通常) 4.2km/h/s
減速度(非常) 4.5km/h/s
製造初年 1986年
電気方式 直流1500V
軌間 1435mm
保安装置 ATS(阪神・山陽)
座席定員 44人(120人)
50人(130人)
車体 アルミ製
扉枚数/座席形状 18m級3扉セミクロスシート
所属 東二見車庫
編成 6両・4両
既存両数 60両
製造メーカー 川崎重工

山陽5000系電車は、1986年に登場した3扉セミクロスシート車である。直通特急など特急運用を中心に、4両編成はS特急や普通にも運用されている。

【編成】
投入当初は5000形 (M’c) – 5000形 (M) – 5600形 (Tc) の3両編成で普通電車に運用されていた。普通運用から特急運用に移行するため、4両編成化され、直通特急運転開始により6両編成化が進められた。

【車体】
3050系3066F以降の編成と同様にアルミ製となった。無塗装で、窓下朱色のラインが入れられた。フロントマスクは3000系と同じ高運転台が採用されたが、デザインは大きく変わった。前照灯は角型のシールドビームになり、種別表示、行先表示は運転台の上部に設置された。運転席窓周りはブラックフェイスになり、従来の山陽電車にはないデザインとなった。
18m級扉セミクロスシートとなり、クロスシート部には当初集団離反式の固定クロスシートを採用していた。後に2-2配置の転換クロスシートになり、固定クロス車も転換クロスシートに置き換えられた。2014年からは阪神梅田方先頭車のロングシート化が行われ、6両編成の梅田方先頭車は全てロングシート化されている。

【主要機器】
1C8Mの界磁添加励磁制御が採用され、回生ブレーキも搭載している。主電動機は3000系、3050系と同じ定格125kWの直流直巻電動機を使用している。台車は円筒案内式ダイレクトマウント空気ばね台車を採用し、5012Fではボルスタレス台車の長期実用試験が行われた。5020F以降の増備車には軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車が使用されている。パンタグラフは3000系などと同様に菱形パンタグラフが採用されたが、後に下枠交差型に交換された。ブレーキは回生ブレーキ併用の全電気指令式ブレーキが採用された。

2020年現在は4両編成2本、6両編成10本が活躍している。

【車両変遷】
1986年に1次車3両編成7本が新製された。5000Fから5012Fで、扉間のシートは集団離反式の固定クロスシートを採用している。2次車は1988年から1989年にかけて製造され、3両編成3本と1次車の4両編成化のため、中間車4両が製造された。3両編成は非冷房車の2000系2008F・2010F・2014Fの置き換えのために製造された。2次車ではクロスシートの背面側のモケットが化粧板に変更された。
3次車は1990年から1991年に製造されたグループで、特急の6両編成化と2000系置き換えのために増備された。5022F、5022Fが4両編成で製造され、中間車10両は5018F・5020F・5022Fの6両編成化と5008F・5010F・5012Fの4両編成化に使用された。3次車は乗務員室からの操作で一斉転換できる機能を有した転換クロスシートが採用された。仕切り部も変更されてパネルクッション付きの衝立となった。台車は軸梁式ダイレクトマウント空気ばね台車となった。
4次車は1993年に5014F、5016Fの4両編成化のため、中間車2両が製造された。ロングシート部を切り欠いて車いすスペースが設けられた。5次車では1995年に登場した最終増備車で、5012F、5014F、5016Fの6両編成化のために中間電動車ユニット6両が製造された。扉間の窓の3連ユニットサッシが中央のみ幅1500㎜に大型化されて、シートピッチと窓割を一致させて眺望の改善が図られた。また日除けカーテンも巻き上げ式からフリーストップ式に変更された。

【改造】
転換クロスシート化
1993年に登場した4次車は転換クロスシート車として製造されたが、それに合わせて5016F、5018Fの固定式クロスシートが転換クロスシートに改造された。6両が改造されて、取り外された固定クロスシートは、3076F、3078Fで活用された。1995年には5014Fが転換クロスシートへの改造が実施され、固定クロスシートは3074Fに再利用されている。

直通特急対応
1998年の直通特急運転開始に合わせて、5000系に直通特急運用への対応工事が施された。阪神と山陽では連結器が異なるため、非常時に連結することを想定して、偏差アダプターが5500形の床下に搭載された。また、運転台マスコンハンドルのデッドマン装置解除機能の追加、列車種類選別装置や車掌台側への補助標識受の設置も行われた。

ロングシート化
阪神本線内での混雑緩和のため、阪神梅田方先頭車をロングシート化した。6両編成全ての梅田方先頭車がロングシート化され、2014年度から2015年度にかけて実施された。

【リニューアル】
2018年に5004Fがリニューアル改造を施工された。5004・5005は車番が改番されて、5702・5802となり、5702は電送解除され、5802は制御機器がVVVFインバータに置き換えられた。前面及び側面の表示器は6000系と同様のフルカラーLED表示になった。車両番号は側面下部に加えて、連結面寄り上部にも表示されるようになった。車内は中間の2両がクロスシートのまま残り、他の4両はロングシート化されて、6000系に準じた車内設備となった。制御方式は界磁添加励磁制御からSiC-SBDとSi-IGBTを組み合わせたSiCハイブリッドモジュールを使用したVVVFインバータ制御となった。

 

山陽5000系 6両編成 60両      
←梅田 山陽姫路→
5000Mc 5000Mp 5500T 5200M 5200Mp 5600Tc 製造年月
5012 5013 5506 5206 5207 5606 1986年8月
5014 5015 5510 5208 5209 5607 1988年12月
5016 5017 5511 5210 5211 5608 1989年7月
5018 5019 5507 5200 5201 5609 1989年7月
5020 5021 5508 5202 5203 5610 1990年6月
5022 5023 5509 5204 5205 5611 1990年6月
←梅田 山陽姫路→
5000Mc 5000Mp 5500T 5230M 5250Mp 5600Tc 製造年月
5004 5005 5502 5235 5252 5602 1986年6月
5006 5007 5503 5237 5253 5603 1986年7月
5008 5009 5504 5239 5254 5604 1986年7月
5010 5011 5505 5241 5255 5605 1986年7月
※5230・5250は1997年3月に増備され直通特急運転に対応するため6両編成化された。
←梅田     山陽姫路→    
5000Mc 5000Mp 5500T 5600Tc 製造年月
5000 5001 5500 5600 1986年6月
5002 5003 5501 5601 1986年6月

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