南海50000系ラピートは1994年9月の関西国際空港開港に合わせて製造された。空港線自体は6月に先行開業していたが、看板列車のラピートの運転は開港に合わせられた。前面が弾丸列車を思わせる奇抜なデザインで好評を博し、1995年のブルーリボン賞に選ばれている。前面は航空機をイメージした流線型で、側窓も航空機のような楕円形の窓を採用し、空港アクセス特急を意識した造りとなった。雲母を含んだ深みあるラピートブルーを纏い、奇抜な外観は20年を経た今でも古さを感じないデザインとなっている。
会社名 | 南海電気鉄道 |
形式 | 50000系 |
使用線区 | 南海本線・南海空港線 |
製造メーカー | 東急車輌 |
制御方式 | VVVFインバータ GTO |
主電動機 | かご形三相誘導電動機定格180kW |
ブレーキ | 回生制動併用全電気指令式電磁直通空気制動 |
台車 | 軽量ボルスタレス台車 ヨーダンパ付 |
最高速度 | 130km/h |
加速度 | 2.5km/h/s |
減速度(通常) | 3.7km/h/s |
減速度(非常) | 4km/h/s |
製造初年 | 1994年 |
電気方式 | 直流1500V |
軌間 | 1067mm |
保安装置 | ATS |
座席定員 | クハ50501 23人 モハ50001 31人 モハ50101 48人 サハ50601 46人 モハ50201 60人 クハ50701 44人 |
扉枚数・座席形状 | 2扉回転式リクライニングシート |
車体 | 21m級鋼板製 |
所属 | 住之江検車区 |
編成 | 6両 |
既存両数 | 36両(2024年12月現在) |
50000系は3M3Tの6両編成で、1C4MのGTO素子によるVVVFインバータ制御を採用している。
主電動機は180KWで、130km/h運転も視野に入れた性能を有し、営業運転でも空港線で120km/h運転を行う。台車はボルスタレス台車で、ユニットブレーキを採用し、自動隙間調整機能を内蔵する。また、登場時には搭載されなかったヨーダンパも1995年から取付が行われ、全車に取付が完了している。
ブレーキは全電気指令式で将来のスピードアップなどに備えて滑走制御装置も取付準備工事が行われている。パンタグラフは下枠交差型を採用。
南海50000系 | 6編成 | 36両 | ||||
←なんば | 関西空港→ | |||||
6号車 | 5号車 | 4号車 | 3号車 | 2号車 | 1号車 | |
50501Tc | 50001Mp | 50101M | 50601T | 50201Mp | 50701Tc | 製造年 |
50501 | 50001 | 50101 | 50601 | 50201 | 50701 | 1994年 |
50502 | 50002 | 50102 | 50602 | 50202 | 50702 | 1994年 |
50503 | 50003 | 50103 | 50603 | 50203 | 50703 | 1994年 |
50504 | 50004 | 50104 | 50604 | 50204 | 50704 | 1994年 |
50505 | 50005 | 50105 | 50605 | 50205 | 50705 | 1994年 |
50506 | 50006 | 50106 | 50606 | 50206 | 50706 | 1994年 |
※1 5・6号車はスーパーシート。その他はレギュラーシート |
- 50000系車内
- 50000系車内
- 50000系車内
- 50000系車内
6両中2両はスーパーシートとなっており、1-2配列の3列シートになっている。デビュー当初はスーパーシート利用者はドリンクが飲み放題だったが、現在はそのようなサービスもなくなっている。
客用扉はプラグインドアとして、旅行者の大荷物や車椅子利用者に対応するため、1000mmのワイドな扉となっている。また、旅行者の荷物置き場として各車両の出入り口付近に3段式の荷物室が設けられている。以前はCAT荷物室も使用されていたが、なんばCATのサービスが廃止になり、現在は使用停止状態となっている。
- 50501F
- 50502F
- 50503F
- 50504F
- 50505F
- 50506F
50000系は2014年10月現在6両編成6本全車が活躍している。空港特急ラピートで運用され、臨時列車で泉佐野以南の本線で運転されたり、検査入場で高野線千代田車庫までの回送されることもあるが、基本は空港特急のみの運用となっている。