近鉄鈴鹿線ガイド【沿線の工場地帯へラッシュ時には急行も運転】

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1.概要

会社名 近畿日本鉄道
路線名 鈴鹿線
区間 伊勢若松~平田町
営業キロ 8.2km
駅数 5駅
平均駅間距離 2.05km
所要時分 10分
表定速度 49.2km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流電化
線路 単線
保安方式 ATS
最高速度 80km/h
最大編成両数 3両

近鉄鈴鹿線は三重県鈴鹿市の伊勢若松と同市の平田町を結ぶ8.2kmの路線である。全線単線で1435mm標準軌、直流1500Vの電化路線である。伊勢若松で近鉄名古屋線と接続している。平日朝ラッシュ時1本のみだが、名古屋線直通の急行が運転されている。それ以外は線内運転のみで、3両編成がワンマン運転を行っている。近鉄名古屋線以外の路線との連絡はなく、柳~鈴鹿市間で伊勢鉄道と立体交差しているが、連絡駅はない。

駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 所在地 開業年月日
L29 伊勢若松 0km 鈴鹿市 1917/12/22
L30 2.2km 2.2km 鈴鹿市 1925/12/20
L31 鈴鹿市 1.9km 4.1km 鈴鹿市 1925/12/20
L32 三日市 2.1km 6.2km 鈴鹿市 1963/4/8
L33 平田町 2km 8.2km 鈴鹿市 1963/4/8

2.歴史

近鉄鈴鹿線は1925年(大正14年)12月20日に伊勢鉄道神戸支線として伊勢若松 ~伊勢神戸(現在の鈴鹿市)間が開業した。1926年(大正15年)9月12日 伊勢鉄道が伊勢電気鉄道に社名変更した。1926年(昭和元年)12月26日に全線が電化された。1936年(昭和11年)9月15日に参宮急行電鉄が伊勢電気鉄道を合併し、伊勢神戸線となった。1941年(昭和16年)3月15日に大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併、関西急行鉄道に改称され、路線名が神戸線となった。1944年(昭和19年)6月1日に関西急行鉄道が合併により近畿日本鉄道となり、同社の路線となった。

1959年(昭和34年)11月23日に名古屋線に合わせて全線標準軌に改軌された。改軌準備工事の際に重量級の大阪線車両が入線可能となるように路盤の強化も実施された。1963年(昭和38年)4月8日に鈴鹿市~平田町間が延伸開業した。神戸線を鈴鹿線と改称し、伊勢神戸駅を鈴鹿市駅に改称した。1968年(昭和43年)10月17日からATSの使用を開始した。

1995年(平成7年)3月16日から最高速度を65km/hから80 km/hに引き上げて、所要時間を1分短縮した。1998年(平成10年)6月13日からワンマン運転を開始した。2007年(平成19年)4月1日から各駅でICカードPiTaPa・ICOCAの利用が可能になった。2010年(平成22年)4月1日から伊勢若松~平田町間の全線で名古屋列車運行管理システム「KRONOS」(クロノス)の運用を開始した。2012年(平成24年)3月20日ダイヤ変更で、昼間時毎時3本から2本に減便された。

3.路線ガイド

伊勢若松では4番線からの発着が基本となっている。4番線は名古屋線上りホームとホームを共有しており、名古屋線上りとは対面接続となっている。名古屋線直通や一部の列車は1・2番線から発着している。伊勢若松を出ると右にカーブして名古屋線と分かれる。広大な田畑の中を走り、1面1線の柳となる。無人駅となっているが、PITAPAの簡易読み取り機が設置されている。1日の利用者数は三桁にとどまっている。国道23号線と交差し、続いて伊勢鉄道と交差する。いずれも鈴鹿線が下となる立体交差となっている。伊勢鉄道との交点付近には伊勢鉄道の鈴鹿駅がある。近鉄には駅がないため連絡はできない。近鉄鈴鹿線と伊勢鉄道はどちらかと言えば競合関係にはないが、伊勢鉄道は近鉄名古屋線と熾烈な競合がある。伊勢鉄道との交点からしばらく走り市街地に入り、2面2線の鈴鹿市となる。駅前に鈴鹿市役所があり行政の中心地となっている。鈴鹿線唯一の行き違い駅となっており、終日同駅で行き違いを行っている。鈴鹿線は全線にわたって複線化に備えた用地があるが、今のところ複線化の計画はないし、今後もそのような話は出てこないだろう。

次の三日市は1面1線で柳同様無人駅でPITAPAの読み取り機のみが設置されている。駅周辺は住宅地となっており、利用者数は少なくない。終点の平田町は1面1線で、ここも1面2線の構造になっているが、棒線となっている。このため終点での列車交換は行われず、列車は到着後、すぐに折り返すダイヤとなっている。駅前のロードサイドに街が形成されており、駅の西側にイオンモール鈴鹿ベルシティがある。この辺りは完全なクルマ社会のため、ショッピングモールがあっても鈴鹿線の利用にはなかなか結びついてこない。

  

鉄道コム

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