近鉄大阪線データイムダイヤ【2021年7月3日ダイヤ変更】

2715F急行伊勢中川

1．概要

近鉄大阪線のデータイムダイヤは60分サイクルで運転されている。2021年7月3日ダイヤ変更では、大阪上本町発宇治山田行きの阪伊乙特急が廃止され、阪伊特急は毎時1本の運転となった。特急のうち名阪特急は30分毎に運転されている。名阪特急は鶴橋を出ると名古屋線の津まで停まらない名阪甲特急と、大阪線内大和八木、名張に停車する名阪乙特急がそれぞれ60分毎に運転されている。阪伊特急は大阪難波発賢島行きと大阪上本町発宇治山田行きが毎時1本の運転だったが、先述したように2021年7月3日ダイヤ変更で、大阪上本町発宇治山田行きが廃止されて、毎時1往復体制となった。

60分サイクルに名阪特急が2本、阪伊特急が1本、急行が3本、区間準急が3本、普通が5本が運転されている。2018年3月17日ダイヤ変更で急行の停車駅見直し、区間準急、普通の運転区間見直しが行われ、大和朝倉以東では運転本数が減少している。

1542F普通青山町

2．2021年7月3日ダイヤ変更

阪伊特急のうち、大阪上本町発着の宇治山田、鳥羽行き特急が大幅に減便され、大阪上本町発着の特急は下り5本、上り7本のみとなった。阪伊特急は毎時1本の運転となり、大阪上本町発着の列車が停車していた榊原温泉口にも大阪難波発着の列車が停車するようになった。布施については停車列車が大幅に減少し、1日2往復のみの停車となった。

急行はダイヤ変更前まで毎時1本が五十鈴川まで運転されていたが、これが伊勢中川止まりとなり、昼間の閑散時間帯には松阪、伊勢方面への直通列車は特急が毎時1本に運転されるのみとなった。

区間準急は毎時1本が榛原まで足を延ばしていたが、ダイヤ変更により閑散時間帯は全て大和朝倉発着となった。普通は大阪側では特に大きな変化はないが、名張以東の普通が削減され、名張～伊勢中川間の普通がなくなり、全て青山町止まりとなった。青山町～東青山間は各駅に停車する急行が毎時1本運転されるのみとなった。東青山からは従来通り伊勢中川まで普通が運転されており、急行通過駅は毎時1本の運転となっている。

80000系ひのとり

3．特急

特急は名阪特急と阪伊特急があり、名阪特急は伊勢中川で短絡線を通って名古屋線に直通する。阪伊特急は伊勢中川から山田線に直通する。名阪特急は大阪難波～近鉄名古屋間に毎時2本30分毎の運転、阪伊特急は大阪難波～賢島間に毎時1本60分毎の運転となっている。

名阪特急は大阪難波、近鉄名古屋発毎時00分の列車が名阪甲特急、大阪難波、近鉄名古屋発毎時30分の列車が名阪乙特急となっている。甲特急、乙特急は近鉄内部やファンの間で使用されているだけで、駅案内などでは使用されない。名阪甲特急は大阪難波を出ると大阪上本町、鶴橋、津に停車する。かつては鶴橋から近鉄名古屋までノンストップで運転されていたため、一般的には名阪ノンストップ特急として知られていた。2012年3月20日ダイヤ変更で津停車となり、これにより名阪ノンストップ運転は終了した。

車両は80000系ひのとりが使用されている。2020年3月14日ダイヤ変更でデビューした80000系ひのとりは、2020年度内に増備が続けられ、2021年2月13日からは名阪甲特急の全てが80000系ひのとりに統一された。80000系ひのとりはプレミアムシートが2両、レギュラーシートが4～6両連結されている。レギュラーシート利用でもひのとり特別料金が徴収され、特急料金の総額はレギュラーシートで従来のアーバンライナーよりも200円高くなる。プレミアムシートは大阪難波～近鉄名古屋間で特急900円プラスとなっている。プレミアムシートはしまかぜと同様のシートになっており、1-2配列のハイデッカータイプの車両になっている。レギュラーシートとの価格差は700円で、高額なJRのグリーン車と比してお得感があるハイグレード車両となっている。このため、ひのとりはレギュラーシートは空いていてもプレミアムシートは満席ということも少なくない。コロナ禍により全般的に特急車は空席が目立つが、自由に移動ができる日が戻ってくれば、今よりも人気を博すことは間違いない。

名阪甲特急は大阪難波～近鉄名古屋間を2時間9分で結んでいる。途中大阪線の山間部区間では130㎞/h運転を行っている。津では名伊乙特急と連絡しており、名阪甲特急が停まらない桑名、近鉄四日市、白子などでも利用できるようになった。乙特急停車駅では、伊勢中川乗り換えも含めて毎時3回の乗車チャンスとなり、所要時間も短縮され、利便性が上がった。

21104F名阪乙特急大阪難波

大阪難波発毎時30分の名阪乙特急は、名阪特急の主要駅停車タイプで、大阪難波を出ると大阪上本町、鶴橋、大和八木、名張、津、白子、近鉄四日市、桑名に停車する。名阪乙特急は2020年3月14日ダイヤ変更までは汎用特急車が主体だったが、同ダイヤ変更で80000系ひのとりが登場し、名阪甲特急で使用されていた21000系、21020系アーバンライナーが名阪乙特急に転用されるようになった。

2021年2月13日からはひのとり増備完了に伴い、名阪乙特急は全て21000系、21020系アーバンライナーで運転されるようになった。基本6両編成で運転されているが、21000系は8両編成も存在しており、列車によっては8両編成で運転されるものもある。アーバンライナー化により、編成中1両がデラックスシートとなった。大阪難波～近鉄名古屋間の所要時間は下りが2時間19分、上りが2時間22分となっている。

12402F特急賢島

阪伊特急は大阪難波～賢島間に毎時1本が運転されている。2021年7月3日ダイヤ変更で、大阪上本町発の特急が廃止されて阪伊特急は毎時1往復体制となった。阪伊特急の停車駅は大阪難波から大阪上本町、鶴橋、大和高田、大和八木、榛原、名張、伊賀神戸、榊原温泉口、伊勢中川、松阪、伊勢市、宇治山田、五十鈴川、鳥羽、志摩磯部、鵜方。2021年7月3日ダイヤ変更で、宇治山田行きが停車していた榊原温泉口にも追加停車となり、さらに停車駅が増えた。同じ乙特急の名阪乙特急と大阪線内での停車駅を比較すると4駅も多く、乙特急というよりもさらに一段下の丙特急といった感じになっている。使用車両は汎用特急車を中心に、23000系伊勢志摩ライナーを使用する列車は6両編成となっている。2021年7月3日ダイヤ変更からはビスタカー4両編成と汎用特急2両を連結した6両編成が多くなっている。

2533F急行名張

4．急行

急行は2021年7月3日ダイヤ変更以前は、大阪上本町～五十鈴川、青山町、名張へそれぞれ毎時1本ずつ運転されていた。ダイヤ変更により、五十鈴川行きの大半が伊勢中川行きに置き換えられ、山田線方面に直通する列車が激減した。大阪上本町口では60分サイクルに3本の運転は変わらず、大阪上本町発ベースでは11・28・52分に運転されている。毎時3本の運転だが、完全な20分毎の運転にはなっていない。停車駅は大阪上本町から鶴橋、布施、河内国分、五位堂、大和高田、大和八木、桜井、大和朝倉～榊原温泉口間の各駅と伊勢中川、松阪、伊勢市、宇治山田となっている。2018年3月17日ダイヤ変更で、大和朝倉・長谷寺が停車駅に追加されて、大和朝倉～榊原温泉口間が各駅停車となった。これにより区間準急、普通の運転区間が短縮されて、大和朝倉以遠の電車の本数を減らした。

名張以東では急行が毎時1本の運転は確保されているが、名張～伊勢中川間の普通が名張～青山町に短縮され、青山町～東青山間では急行のみの運転となった。東青山～伊勢中川間は同区間の普通が毎時1本の運転となった。

1535F区間準急大和朝倉

5．区間準急

区間準急は毎時3本の運転で、大阪上本町～大和朝倉間に2本、大阪上本町～榛原間に1本が運転されている。停車駅は大阪上本町から鶴橋、布施、近鉄八尾、河内山本、高安以遠の各駅。区間準急は2012年3月20日ダイヤ変更で新設された種別で、河内国分まで急行運転する準急に対して、区間準急は高安から各駅停車となった。高安から各駅に停車することにより、大半の普通が高安で折り返すようになった。2018年3月17日ダイヤ変更で、区間準急の3本中2本が大和朝倉折り返しとなり、榛原方面へは大和朝倉で急行連絡となった。区間準急は4・6両編成で運転されており、近年は利用者減少により、4両編成が増加している。

2529F普通高安

6．普通

普通は高安まで4本、大和朝倉まで1本が運転されている。区間準急の設定により大半の列車が高安折り返しとなっているが、毎時1本五位堂行きが残されている。普通の下り待避パターンは以下となる。区間準急に追い抜かれる列車は1本だけで、八尾まで4本が先着するダイヤとなっている。途中待避は多く、布施、弥刀、河内山本の待避駅では特急や急行を待避する。

名張以東のローカル区間では、名張で急行と連絡する普通が伊勢中川行きから青山町行きに変更された。これにより青山町～東青山間では閑散時間帯は普通の運転がなくなり、各駅に停車する急行が毎時1本運転されるのみとなった。東青山～伊勢中川間では従来通り毎時1本の普通が運転されているが、名張～伊勢中川間の普通がなくなったため、急行通過駅は毎時1本の運転となった。