京阪では8000系使用列車にプレミアムカーを設定することになった。6号車がその対象で、設置後は、一般席は実質7両編成となる。ここではプレミアムカー導入による問題点やその効果などについて検証していきたい。
1)料金体系はどうなるか?
500円ぐらいとするのが妥当なところだろう。運賃プラス500円が利用にどう影響するかはわからない。
京橋~祇園四条間の運賃は400円、これに500円がプラスされると900円となる。
淀屋橋~出町柳の運賃は470円なので、970円となる。トータル1000円切りにはしておきたいので、料金が500円以上となるとつらいところか。
ちなみJRの京阪間の運賃が560円、新幹線はこれに860円プラス、特急で650円がプラスされる。運賃だけならJRは新快速利用となるため、始発の大阪からでも座れる保証は全くない。新幹線は新大阪からで、これは座席料金ではなく、あくまでも速達料金のため、参考外と言える。似たような列車としてはJRではサンダーバードやはるかなどの特急があるが、こちらの自由席利用で650円となり、指定席だと1170円となり、料金が大幅に跳ね上がる。行楽シーズンなどはJRは長距離利用で満席になることも多いので、特急利用は座席確保として利用するには危うい。
2)チケットの販売方法は?
当然ながら特急停車駅でチケットを販売するように整備しなければならない。特急停車駅以外での販売はおそらく考慮されないものと思われる。
3)チェック体制はどうするか?
特急で運用するなら、京橋発車後に1回、枚方市、樟葉、中書島、丹波橋と各駅出発後にチケットのチェックをアテンダントが行うことになりそうだ。車内の落ち着きを求められる空間にしてはちょっと問題がありそう。できればJR東日本の普通列車のグリーン車などに導入されているようなチェックシステムが必要ではないか。
また、距離的な問題もあり、車内発券、車内精算というのは必ずや出てくるものと思われる。車内での発券はJR東日本のように割高とするなどの対策も行い、極力事前精算してもらうように仕向けるべきだろう。
4)特急以下での運用も残るのか?
現行の運用では8000系は特急以外の下位列車での運用も多い。入庫を兼ねた普通や区急の運用であれば6号車を締切扱いとしても問題ないと思われる。ただ、利用者が多い急行や準急では実質7両編成となってしまうため、極力急行、準急での運用は避けるべきだろう。また、夜間に設定されている快急での運用はプレミアムシートの利用区間を限定する必要がありそう。
5)8000系以外の車両3000系への導入もあるのか?
特急の運用は8000系だけでは足りず3000系や一般車での運転もあるが、8000系で好評を得れば3000系でも導入する動きはあるかもしれない。もっとも3000系は3扉車なので改造が困難かもしれない。
臨時ダイヤでは8000系は快速特急に使用されるため、特急への使用が減少するなど運用上の問題が発生する可能性は大である。特急車に常時連結があるとは限らないプレミアムシートでは後々の利用者の増減に影響が出るかもしれない。
6)ホーム上券売機の設置は?
関西では近鉄、南海がホーム上に特急券券売機を設置しているが、京阪でも同様のシステムがあれば利用しやすい。
もっとも運転頻度が高く、列車運用がマチマチになりそうな京阪特急での運用は難しい面も多いだろう。
車両運用変更に対応したシステムの導入が必要だ。
7)PITAPA、ICOCAでの乗車対応
後発だけにシステム的にはICカードでの乗車はできるようにしてもらいたいものだ。先述したように、チェック体制もICカードを利用すれば簡略化でき、車内の落ち着きを確保できる。
また、料金体系に関しても差異を設けて、利用を促進する手法も取れる。
8)定期券乗車への対応
ラッシュ時の運用の固定化ができれば、JR西日本が一部特急列車で行っているマイシートなども導入できるのではないか。通勤の固定客を掴んでおくのは利用者確保の観点から必要なのではないか。
また、途中駅となる京橋、祇園四条などの主要駅からは座席が困難となることが多い。途中駅から座っていきたい需要も多いと思われるので、少なくともこの両駅にはホーム上にプレミアムシート券を買えるシステムを導入すべきだろう。
9)車内サービスはどうか
通勤時間帯にはコーヒーや軽食の有料提供サービス…コーヒーの無料提供も検討すべきだろう。帰宅時間帯にはアルコールの提供も検討すればいい。
行楽シーズンの列車内では上記のどちらも含めたサービスの提供を行えばよい
また、客寄せの一環で車内限定のグッズを販売し、これを一定周期で変えて販売していけば、特定の利用が掴めるかもしれない。 最近流行りのゆるきゃらなどを活用してプレミアムシートのキャラクターを作り、販促に活用するのも一つの手だろう。
10)指定席か自由席か
当然ながら指定席となるだろう。座席確保の見込みなく別料金を支払うJR東日本のグリーン車のようなシステムは関西では見合わないだろう。トラブルが発生する元であるので、指定とするのが望ましい。
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