1.概要
近鉄京都線は京都と大和西大寺を結ぶ34.6㎞の路線で、全線1500V直流電化複線となっている。奈良電気鉄道として開業した同線は戦後丹波橋から京阪に乗り入れるなど京阪との結びつきが強かったが、昭和38年に近鉄の路線となって現在に至っている。運行系統は京都~西大寺、奈良間を中心に、西大寺から橿原線に直通する系統、竹田から地下鉄烏丸線に乗り入れる系統がある。特急は京都から奈良、橿原神宮前、賢島方面へ運転されており、データイムはほぼ20分毎に運転されている。急行は京都から奈良、橿原神宮へ運転されており、竹田から地下鉄烏丸線に入る系統も運転されている。この他ラッシュ時には京都~新田辺間で準急が運転されている。普通は京都から西大寺への系統を中心に、国際会館~新田辺間の普通が30分毎に運転されている。
2.路線データ
会社名 | 近畿日本鉄道 |
---|---|
路線名 | 京都線 |
区間 | 京都~大和西大寺 |
営業キロ | 34.6km |
駅数 | 26駅 |
平均駅間距離 | 1.39km |
所要時分 | 28分 |
表定速度 | 74.2km/h |
軌間 | 1067mm |
電気方式 | 1500V直流 |
線路 | 複線 |
保安方式 | ATS |
最高速度 | 105km/h |
最大編成両数 | 6両 |
駅№ | 駅名 | 駅間距離 | 営業距離 | 所在地 | 開業年月日 |
---|---|---|---|---|---|
B01 | 京都 | – | 0km | 京都市下京区 | 1928年11月15日 |
B02 | 東寺 | 0.9km | 0.9km | 京都市南区 | 1928年11月15日 |
B03 | 十条 | 0.6km | 1.5km | 京都市南区 | 1928年11月15日 |
B04 | 上鳥羽口 | 1km | 2.5km | 京都市伏見区 | 1940年4月5日 |
B05 | 竹田 | 1.1km | 3.6km | 京都市伏見区 | 1928年11月15日 |
B06 | 伏見 | 1.3km | 4.9km | 京都市伏見区 | 1928年11月15日 |
B07 | 近鉄丹波橋 | 1.1km | 6km | 京都市伏見区 | 1945年12月21日 |
B08 | 桃山御陵前 | 0.5km | 6.5km | 京都市伏見区 | 1928年11月3日 |
B09 | 向島 | 2.1km | 8.6km | 京都市伏見区 | 1979年3月30日 |
B10 | 小倉 | 2.8km | 11.4km | 宇治市 | 1928年11月3日 |
B11 | 伊勢田 | 1.3km | 12.7km | 宇治市 | 1928年11月3日 |
B12 | 大久保 | 0.9km | 13.6km | 宇治市 | 1928年11月3日 |
B13 | 久津川 | 1km | 14.6km | 城陽市 | 1928年11月3日 |
B14 | 寺田 | 1.3km | 15.9km | 城陽市 | 1928年11月3日 |
B15 | 富野荘 | 1.5km | 17.4km | 城陽市 | 1928年11月3日 |
B16 | 新田辺 | 2.2km | 19.6km | 京田辺市 | 1928年11月3日 |
B17 | 興戸 | 1.5km | 21.1km | 京田辺市 | 1954年7月5日 |
B18 | 三山木 | 1.3km | 22.4km | 京田辺市 | 1928年11月3日 |
B19 | 近鉄宮津 | 0.7km | 23.1km | 京田辺市 | 1993年9月21日 |
B20 | 狛田 | 1.3km | 24.4km | 相楽郡精華町 | 1928年11月3日 |
B21 | 新祝園 | 2.3km | 26.7km | 相楽郡精華町 | 1928年11月3日 |
B22 | 木津川台 | 1.5km | 28.2km | 木津川市 | 1994年9月21日 |
B23 | 山田川 | 1km | 29.2km | 相楽郡精華町 | 1928年11月3日 |
B24 | 高の原 | 1.6km | 30.8km | 奈良市 | 1972年11月22日 |
B25 | 平城 | 2.7km | 33.5km | 奈良市 | 1928年11月3日 |
B26 | 大和西大寺 | 1.1km | 34.6km | 奈良市 | 1914年4月30日 |
3.列車種別
駅名 | 特 急 | 急 行 | 準 急 | 普 通 |
---|---|---|---|---|
京都 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
東寺 | ○ | ○ | ○ | |
十条 | ○ | |||
上鳥羽口 | ○ | |||
竹田 | ○ | ○ | ○ | |
伏見 | ○ | |||
丹波橋 | ○ | ○ | ○ | ○ |
桃山御陵前 | ○ | ○ | ○ | |
向島 | ○ | ○ | ||
小倉 | ○ | ○ | ||
伊勢田 | ○ | ○ | ||
大久保 | ○ | ○ | ○ | |
久津川 | ○ | ○ | ||
寺田 | ○ | ○ | ||
富野荘 | ○ | ○ | ||
新田辺 | ○ | ◎ | ◎ | |
興戸 | ▲ | ○ | ||
三山木 | ▲ | ○ | ||
近鉄宮津 | ● | ○ | ||
狛田 | ○ | |||
新祝園 | ○ | ○ | ||
木津川台 | ○ | |||
山田川 | ○ | |||
高の原 | ▲ | ◎ | ○ | |
平城 | ○ | |||
大和西大寺 | ○ | ○ | ◎ | |
新大宮 | ○ | ○ | ||
奈良 | ◎ | ◎ | ◎ |
4.歴史
1928年(昭和3年)11月3日に奈良電気鉄道が桃山御陵前~西大寺(現在の大和西大寺駅)間を開業。11月15日に京都~桃山御陵前駅が開業し全通。
1929年(昭和4年)7月10日に木津川の河畔に木津川駅を設置した。
1935年(昭和10年)6月29日に鴨川水害で十条~城南宮前間で路盤崩壊のため不通、同月30日運転再開。
1940年(昭和15年)4月1日に城南宮前駅を竹田駅に改称した。同年4月5日に上鳥羽口駅が開業した。
1945年(昭和20年)5月20日に八条駅・木津川駅が休止となった。
同年12月21日に奈良電気鉄道の電車が京阪神急行電鉄の丹波橋駅(現在は京阪電気鉄道)に乗り入れ、同駅から京阪神急行電鉄京阪線の三条まで直通運転開始。伏見~堀内~桃山御陵前間は廃止された。
1946年(昭和21年)10月1日に京都~東寺間の八条駅、富野荘~新田辺間の木津川駅が廃止された。
1947年(昭和22年)4月1日に京阪神急行電鉄(1949年から京阪電気鉄道)の電車が丹波橋から奈良電に乗り入れ、京都まで直通運転開始。
1948年(昭和23年)7月1日に木津川駅が再開業した。
1954年(昭和29年)7月5日に興戸駅が開業した。
1963年(昭和38年)9月に京都駅が高架化された。同年10月1日に近畿日本鉄道が奈良電気鉄道を合併し、京都線となる。
1965年(昭和40年)8月23日に木津川駅を休止した。
1967年(昭和42年)3月29日に旧堀内駅を復活し、現在位置の近鉄丹波橋駅設置。伏見~近鉄丹波橋~桃山御陵前間復活。ただし1年間は丹波橋・近鉄丹波橋の併用となった(近鉄の特急・急行・準急は近鉄丹波橋駅を、普通と京阪直通列車は丹波橋駅を使用、ただし当初の正式駅名は両駅とも丹波橋駅)。
1968年(昭和43年)10月10日にATS使用開始。同年12月20日に伏見~丹波橋~桃山御陵前間廃止。また丹波橋駅での京阪との相互直通運転と丹波橋駅・近鉄丹波橋駅の併用も廃止。近鉄使用の丹波橋駅を近畿日本丹波橋駅として分離。なおこの日より奈良線大型車両の京都線での運用を開始した。
1969年(昭和44年)9月13日に京都~東寺間が高架化された。同年9月21日に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧した。
1970年(昭和45年)3月1日に近畿日本丹波橋駅を近鉄丹波橋駅に改称。
1972年(昭和47年)11月22日に高の原駅が開業した。
1974年(昭和49年)7月20日に木津川駅が廃止された。
1979年(昭和54年)3月30日に向島駅が開業した。7月に特急に限り6両編成運転開始。
1981年(昭和56年)に800系・820系運用終了。
1982年(昭和57年)3月18日に平日朝の急行を6両編成に増結。
同年6月1日に急行の6両編成運転を一旦中止。
1987年(昭和62年)7月に竹田駅を移転。同年10月22日に大久保駅付近高架化完成、同駅に待避線が設けられた。同年12月6日に急行の6両編成運転を再開。準急、普通の一部区間での6両運転も開始。
1988年(昭和63年)8月28日に京都市営地下鉄烏丸線との相互直通運転を開始(当時は北大路駅まで)。
1990年(平成2年)10月24日に京都市営地下鉄烏丸線の北大路~北山間延伸開業に伴い、直通運転区間も延長。
1993年(平成5年)3月18日に宮津車庫完成。同年9月21日に近鉄宮津駅開業。待避可能駅。この近鉄宮津駅開業および志摩線複線化工事の進捗・同年10月の伊勢神宮式年遷宮の輸送対応と合わせ、主要線区でダイヤ変更を実施。
1994年(平成6年)9月21日に木津川台駅開業。
1995年(平成7年)3月16日に同志社大学京田辺キャンパスへの通学客に対応するため、平日朝方に京都発近鉄宮津ゆき急行を2本新設(1本は京都発新田辺ゆき急行の区間延長。従来の急行停車駅のほか三山木駅にも停車)。
1996年(平成8年)3月15日:23000系(伊勢志摩ライナー)を京都発着の特急にも運用開始。新祝園駅で待避線の使用開始。
1997年(平成9年)3月18日ダイヤ変更で「土曜・休日ダイヤ」が導入されたのに伴い、土曜・休日朝方にも京都発近鉄宮津ゆき急行を1本設定。また平日朝方に高の原始発の京都ゆき急行を1本新設。同年5月22日に京都市営地下鉄烏丸線の北山~国際会館間延伸開業に伴うダイヤ修正を実施。
1998年(平成10年)3月17日に土曜・休日昼間、京都~近鉄奈良間に快速急行を新設。同年10月3日に東寺~竹田間の下り線高架化。
1999年(平成11年)3月16日に同日より京都駅21:00発以降の下り特急7本が高の原にも停車とした。同年11月27日に東寺~竹田間、上下線とも高架化。上鳥羽口には通過線が設けられて待避可能駅になった。
2000年(平成12年)3月15日に国際会館~近鉄奈良間直通の急行を新設し京都市営地下鉄烏丸線との相互直通運転区間を近鉄奈良駅まで延長。快速急行が平日昼間にも設定され増発、停車駅に新大宮を追加。急行の停車駅に新祝園を、準急の停車駅に向島をそれぞれ追加、京都発近鉄宮津ゆき急行は興戸にも停車とした。
2001年(平成13年)2月1日に各駅でスルッとKANSAI対応カードの取り扱い開始。同年10月14日に各駅でJスルーカードの取り扱い開始。
2002年(平成14年)3月20日ダイヤ変更で、近鉄丹波橋に全ての特急が停車となった。また高の原停車の特急を京都19:00発以降の下り特急にも拡大した。
2003年(平成15年)3月6日ダイヤ変更で、京都~近鉄奈良間の快速急行を急行に統合し廃止。京伊特急の一部が大和八木~賢島間で阪伊乙特急と併結運転になった。
2005年(平成17年)8月6日に三山木駅付近高架化完成。
2007年(平成19年)4月1日から各駅でICカードPiTaPa・ICOCAの取り扱い開始。
2008年(平成20年)6月14日から京都~竹田間で車上速度パターン照査式ATS (ATS-SP) 使用開始。
2009年(平成21年)3月1日でJスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了。
2014年(平成26年)10月10日から京伊特急で観光特急50000系(しまかぜ)を運用開始。