1.概要
会社名 | 近畿日本鉄道 |
形式 | 1000系 |
使用線区 | 近鉄名古屋線、山田線、鳥羽線 |
製造メーカー | 近畿車輌 |
制御方式 | 界磁位相制御 1C8M |
主電動機 | 定格132kW |
ブレーキ | 電磁直通ブレーキ(抑速発電制動付) |
台車 | KD-75、KD-75A、KD-32G |
最高速度 | 110km/h |
加速度 | 2.5km/h/s |
減速度(通常) | 4km/h/s |
製造初年 | 1972年 |
電気方式 | 直流1500V |
軌間 | 1435mm |
保安装置 | ATS |
座席定員 | 58人(170人)先頭車 64人(190人)中間車 |
扉枚数・座席形状 | 4扉ロングシート |
車体 | 21m級鋼製 |
所属 | 明星検車区 |
編成 | 3両 |
既存両数 | 15両(2019年3月現在) |
近鉄1000系は1970年度製作の1810系および2410系の設計を踏襲した、普通鋼溶接組み立てによる20m級両開き4扉車体を備えるが、車体幅は約30mm拡大されている。
2.車体・車内
側窓は下降式で座席はロングシート、1000系は換気装置としてラインデリアを備えるが、1200系は前述のとおり冷凍能力8,500kcal/hの三菱電機CU-14集約分散式冷房装置を1両につき5基ずつ屋根上に搭載し、冷風を天井に設置された風洞経由で送風する構造となったため、屋根断面がラインデリア搭載スペース確保のために扁平でやや角張った印象を与える1000系とは異なり、風洞を通す関係で屋根が高く丸味を帯びたものとなっている。
乗務員室側妻面は中央に貫通扉を配置した3枚窓構成で、新造時には行先表示幕や列車種別表示幕は設置されておらず、車掌台側妻窓下の金具に行先表示板を取り付けて使用した。前照灯はシールドビーム2灯で貫通路上部左右に振り分けて設置し、尾灯・標識灯は丸い列車種別灯の下に横に長い長方形の後部標識灯を組み合わせた、この時代の近鉄通勤車標準仕様の物を妻面左右の腰板部に振り分け設置している。
3.主要機器
前述のとおり、一部機器を廃車となった車両などから流用して製造されたため、旧式な吊り掛け駆動方式を採用して新造された。ただし、WNドライブ車との共用、および将来の主電動機換装によるWNドライブ車への改造を前提に新造機器が設計されており、WNドライブ車と共通運用が可能な性能が与えられている。
4.主電動機
主電動機は2200系用三菱電機MB-211BFを整備・改修したMB-211BFR2を電動車の各台車に2基ずつ吊り掛け式で装架する。歯数比は種車と同じ56:27(2.07)である。この電動機の大出力から、本系列は吊り掛け時代でも全界磁定格速度55.2km/h、定格引張力4000kgによって最高速度は110km/hに達する。
5.主制御器
制御器は様々な形式からの発生品が流用されたため、1972年度製作車については、モ1001・モ1002・モ1051の3両が単位スイッチ式の三菱電機ABFMを、モ1201・モ1251は2回転電動カム軸式の日立製作所NMCを、1973年度製作車については、電動カム軸式の日立製作所MMC-HT10Dをそれぞれ搭載する。これらはいずれも主電動機を2基単位で直並列制御する。
6.制動装置
名古屋線向けであるため、1810系と同様に発電ブレーキは省略されたが、WNドライブ車との混結を想定して、製造当初からHSC電磁直通ブレーキを新製装備している。
7.台車
電動車については、将来のWNドライブ車への改造を考慮して吊り掛け駆動とWNドライブの双方に対応可能なトランサム部を持つ、近畿車輛KD-75(1200系)・KD-75Aダイレクトマウント空気バネ付円筒案内式(シュリーレン式)台車を装着するが、制御車と付随車については、名古屋線から養老線や伊賀線への在来車転出の際に余剰となった近畿車輛KD-32系金属バネ台車を改造した、KD-32G(ク1300・サ1351はKD-32F)を装着する。なお、このKD-32系は名古屋線改軌の際に新造されたもので、短リンク式揺れ枕とコイルバネによる枕バネを備える円筒案内式台車である。
8.集電装置
廃車発生品の菱枠パンタグラフが再利用され、1000系は各電動車の連結面よりにパンタグラフを1基搭載するが、冷房装備の1200系については集電容量確保のため各電動車にパンタグラフを2基搭載としている。
- 1104F
- 1105F
- 1106F
- 1107F
- 1108F
1000系編成表 | 界磁位相制御 | 3両編成 | 15両 |
←近鉄名古屋 | 伊勢中川→ | ||
電算記号 | ク1100Tc | モ1050M | モ1000Mcp |
T4 | 1104 | 1054 | 1004 |
T5 | 1105 | 1055 | 1005 |
T6 | 1106 | 1056 | 1006 |
T7 | 1107 | 1057 | 1007 |
T8 | 1108 | 1058 | 1008 |