京阪中之島線ガイド【中之島地区に乗り入れる唯一の路線も利用が伸びず苦戦】

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1.概要

会社名 京阪電気鉄道
路線名 中之島線
区間 天満橋~中之島
営業キロ 3km
駅数 5駅
平均駅間距離 0.75km
所要時分 7分
表定速度 25.8km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 75km/h
最大編成両数 8両

京阪中之島線は中之島と天満橋を結ぶ3.0kmの路線である。1435mm標準軌、1500V直流電化で全線複線となっている。全線地下線で天満橋では京阪本線の急行線(A線)に接続しており、全列車が京阪本線へ直通している。渡辺橋で地下鉄四つ橋線の肥後橋、大江橋で地下鉄御堂筋線の淀屋橋、なにわ橋で地下鉄堺筋線の北浜と連絡しているが、各駅とも乗り換えるにはかなりの距離を歩かなければならない。天満橋では京阪本線と接続し、地下鉄谷町線と連絡している。
中之島線電車は快速急行、区間急行を中心に運転されている。ラッシュ時には通勤快速急行、準急、通勤準急、普通の運転があり、通常は快速特急、特急、急行、深夜急行の乗り入れはない。急行は競馬開催時に臨時で中之島行きが運転される。各種別とも中之島線内は各駅に停まる。

駅№ 駅名 よみがな 駅間距離 営業距離 所在地 開業年月日
KH54 中之島 なかのしま 0km 0km 大阪市北区 2008年10月19日
KH53 渡辺橋 わたなべばし 0.9km 0.9km 大阪市北区 2008年10月19日
KH52 大江橋 おおえばし 0.5km 1.4km 大阪市北区 2008年10月19日
KH51 なにわ橋 なにわばし 0.6km 2km 大阪市北区 2008年10月19日
KH03 天満橋 てんまばし 1km 3km 大阪市北区 1910年4月15日

2.歴史

京阪中之島線は2008年(平成20年)10月19日に中之島~天満橋間が開業した。開業以前には2001年(平成13年)3月30日に京阪電気鉄道が中之島新線事業への着手を正式決定した。同年7月10日に中之島高速鉄道が設立された。9月27日に京阪電気鉄道と中之島高速鉄道が中之島新線の事業許可を申請。2002年(平成14年)10月9日に大阪市都市計画審議会が中之島新線を市に答申。2003年(平成15年)5月28日に大阪国際会議場で起工式が行われた。2006年(平成18年)4月16日に天満橋駅のホーム形態を変更。同年11月13日に正式路線名と駅名を発表された。2007年(平成19年)10月31日にトンネルが全線貫通した。2008年(平成20年)3月21日にレールが全線つながりレール締結式が行われた。運賃認可申請。4月15日に運賃認可。8月1日から試運転を開始。

2009年(平成21年)10月1日に中之島線の4駅がグッドデザイン賞を受賞。2011年(平成23年)5月28日ダイヤ変更により日中の快速急行・区間急行が廃止された。2013年(平成25年)3月16日ダイヤ変更により、準急の大半を普通に変更。「おりひめ」「ひこぼし」を廃止。土・休日ダイヤにおいて、優等列車の当路線への乗り入れをほぼ完全に廃止し、ごく一部の区間急行と普通列車のみの乗り入れとなった。

2016年(平成28年)3月19日ダイヤ変更により、中之島駅を発着する通勤快急・快速急行の本数が大幅に減少。中之島行きの快速急行に至っては枚方市始発の1本のみとなった。10月31日に中之島線の全駅に旅客案内ディスプレーを設置した。2017年(平成29年)2月25日ダイヤ変更により、平日夕方から夜間の中之島始発の快速急行が淀屋橋発に変更された。代わりに淀屋橋発の準急の一部が中之島発に変更された。2021年(令和3年)1月9日からK-ATS使用開始。

3.路線ガイド

中之島は1面3線の構造で、1・2番線が対面ホームになっており、3番線は切欠きホームになっており、2番線側には壁が設けられている。2番線側も壁を除けば4番線の設置が可能と思われる。列車本数が増えれば淀屋橋と同じ構造になることも考えられるが、現段階ではその可能性は低い。3番線自体も現在は通常時使用はなく、臨時列車の発着やイベントに使用されるのみとなっている。中之島駅は中之島通りとなにわ筋の交点玉江橋付近に位置している。リーガロイヤルホテルの真下に駅がある。大阪国際会議場、大阪市立科学館、大阪大学中之島センター、ABC朝日放送などへの最寄駅になっている。ABC朝日放送は堂島川を渡った対岸にあり、その北側には福島の街が広がっている。少し歩けばJR東西線新福島駅と阪神本線の福島駅がある。中之島は大阪の文化・経済の中心地だが、中之島駅はその西側に位置している。近年再開発により街が様変わりしており、堂島川沿いには近代的なビルが立ち並ぶようになっている。中之島を出ると中之島通の下を東向きに走る。四つ橋筋との交点に1面2線の渡辺橋がある。朝日新聞社大阪本社やフェスティバルホールへの最寄駅となっており、南へかなりずれるが地下鉄四つ橋線の肥後橋と連絡している。堂島川の対岸は堂島地区のビジネス街となっており、その向こうにはJR北新地駅があり、さらにその向こうにはJR大阪駅が広がり、さらにその向こう側にはグランフロント大阪の街が整備された。大阪の根幹をなす鉄道路線はのは地下鉄御堂筋線だが、四つ橋線が西梅田から北ヤード方面へ延伸されると四つ橋筋の重要度も増してくる。京阪沿線からグランフロントへは京橋でJR大阪環状線に乗り換えるのが一番便利だが、四つ橋線とのリンクも選択肢の一つになれば便利になる。但し、四つ橋線との連絡は非常に不便なので、土佐堀川の下に地下道を通すか、四つ橋線に新駅を設けるかしないと便利にはならない。渡辺橋からも中之島通りの下を真っ直ぐ東進していき、御堂筋との交点に1面2線の大江橋がある。大阪市役所・日銀大阪支店、中之島図書館への最寄り駅となっており、まさに大阪市の中心部の駅といえる。堂島川を渡って北へ向かえば堂島東部と西天満のビジネス街が広がり、北側には梅田新道の交差点があり、北新地や大阪駅前第3ビルには徒歩でも行ける範囲にある。土佐堀川を渡れば京阪本線、地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅がある。乗り換えには一旦地上に出なければならないので、決して便利とは言えないが、御堂筋線とのリンクにより中之島からミナミや新大阪方面へのアクセスも確保されている。

大江橋からも中之島通りをさらに東進し、同通りの終点である難波橋付近に1面2線のなにわ橋がある。橋の名前は漢字で難波橋となっているが、なんばとの混同を避けるために駅名はひらがなでなにわ橋となった。難波橋を渡って南へ下りると京阪本線、地下鉄堺筋線の北浜駅がある。ここも渡辺橋、大江橋での各線との連絡同様、地下から一旦地上に上がって歩かなければならない。建設当初から地下鉄各線との乗り換えの不便さが指摘されているが、実際にはかなり不便である。堂島川を渡って北側に出れば南森町や大阪天満宮にも近い。こちらも近いが乗り換えで利用できるというような距離ではない。なにわ橋を出ると中之島水上公園の下を走り、天神橋付近で土佐堀川の下をくぐって対岸に出て京阪本線と合流して3面4線の天満橋となる。天満橋は京阪本線と線路別の配置になっており、1・2番線が中之島線、3・4番線が京阪本線が使用する。かつては1・2番線が淀屋橋方面へのスルー構造になっており、3・4番線は天満橋止まりの行き止まり構造となっていた。中之島線建設に伴い、淀屋橋方面へのホームが振り替えられ、2006年に先行して切り替えが行われている。このため、従来本線複々線区間のA線の延長線だった淀屋橋方面への線路はB線の延長線となり、中之島線はA線の延長線となった。快速急行や区間急行は京橋からもA線を走るため、そのままスルーしていくが、中之島発着の普通は京橋手前でB線に転線する。逆に本線の快速特急・特急・急行・通勤準急・準急などは京橋手前でB線からA線へ転線している。

  

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