JR京都線・神戸線・琵琶湖線ダイヤ変遷7

7.停滞期に入る2008年以降

I2

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2008年10月18日にJR京都線西大路~向日町間に桂川駅が開業した。これまでの新駅と同様に内側線のみに島式ホームが設けられた。快速が停車する為、ホームは12両対応となった。同駅新設に伴うダイヤ変更は行われたが、大規模なものではなかった。桂川駅は阪急洛西口と近く、桂駅にも近い。開業時は駅周辺の開発が追いついてなかったので、駅の廻りは閑散としていたが、後年キリンビール跡地の再開発により大型ショッピングセンターやマンションが建てられ、駅周辺は開業時からは一変している。洛西ニュータウンへの入口も兼ねており、阪急は洛西口では特に対策をとっていなかったが、桂では優等列車の停車を強化してJR対策も行った。

V51

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2009年3月14日のダイヤ改正では、深夜時間帯の新快速が増発された。これまで新快速は上下とも大阪発23時40分の列車が最終となっていたが、同改正より0時以降も運転が行われ、0時台にも上下2本ずつ新快速が運転されるようになった。JR京都線、JR神戸線ともに最終は快速が運転されていたが、これが新快速に置き換わり、JR京都線は大阪発0時25分の京都行き新快速、JR神戸線は0時25分の西明石行き新快速が設定された。夜間の利用が少ない電車については見直しが行われ、普通では東西線経由電車で甲子園口発着の電車が設定された。終電時間の繰上げも行われ、本線では大阪発0時39分だった普通の終電が、上下とも0時28分に繰り上げられた。これまで拡大傾向にあった本線でもリーマンショック後の景気低迷や高速道路休日割引の影響による長距離旅客の利用減などがあり、厳しいコストダウンを行わなければならない情勢になってきた。2009年は京阪神間ではこれ以上に大きな変化は見られなかったが、特急サンダーバードに新型の683系4000番台が6月1日より投入された。同車は同年に増備を続け、2009年秋には485系雷鳥の一部を置き換えるに至った。長年京阪間を走り続けてきた485系雷鳥の終焉が始まった年でもあった。

2010年3月13日ダイヤ改正。アーバンネットワーク内ではあまり大きな変化はなく、本線では683系4000番台の増備が引き続き行われた。その結果、485系雷鳥は同改正により1往復のみの運転となった。高速道路休日1000円の影響が大きく、1往復残った雷鳥も9両編成から6両編成に減車された。多客期には9両で運転されることもあり、この体制のまま2011年の終焉を迎えることになった。また、特急列車では昼間時間帯の関空特急はるかのうち6往復を臨時格下げとした。当分の間は毎日運転とされていたが、2011年3月12日のダイヤ改正で正式に廃止となった。
本線系統では普通を中心にダイヤが変更され、2009年に続いて減便ダイヤが行われた。データイムの普通のうち、京都~高槻間で毎時4本の普通が毎時2本に減便、須磨~西明石間では毎時8本の普通が毎時4本に減便となった。なお、高槻~須磨間は毎時8本の運転を維持した。また、学研都市線京田辺~木津間の7両対応化が完成し、同線の快速は木津まで7両編成で運転されるようになった。これにより321系の木津乗り入れも開始され、207系との共通運用の範囲が広がった。JR琵琶湖線では京都で最終の新快速に接続する野洲行きが廃止され、終電の繰上げが行われた。
2010年においてはダイヤ改正以降大きな動きはなかったが、12月1日から新型近郊型車両225系0番台が本線において運転を開始した。8両固定編成5本が運用を開始し、新快速を中心に運転された。2011年も増備が行われ、8両編成の他、6両編成、4両編成も順次デビューしていった。同系の5000番台が阪和線に大量投入され、関空紀州路快速増発や2011年3月改正でデータイムにも設定された区間快速にも使用されているが、0番台に関しては取り急ぎは110両が製造されただけだった。

2011年3月12日にダイヤ改正が実施され、本線では土休日の新快速が全列車12両編成化が行われた。湖西線の一部駅では新快速の12両運転に備えてホームの延伸も行われた。新快速は平日もラッシュ時を中心に12両運転が増加し、全体の7割程度を12両編成で運転するようになった。また、新快速の南草津停車も行われ、1997年の尼崎停車以来の停車駅増加となった。本線ではこの他、平日ラッシュ時間帯に205系の運用が復活した。これはおおさか東線直通快速の207系置き換えに伴う4扉ロングシート車不足を補うもので、阪和線への225系5000番台大量投入に伴い205系が本線に転用された。長距離列車では北陸方面への伝統の特急雷鳥が全て特急サンダーバードに置き換えられて姿を消した。これにより北陸方面への特急は全てJR発足後に新造された車両となった。国鉄以来運転されていた特急雷鳥が姿を消すことになった。また、新大阪発着の特急こうのとりにも287系新型特急車が投入された。183系はグレードアップ塗装車が引退し、国鉄色をベースとした塗装の車両が残存するのみとなった。また、287系落成までのつなぎとして日根野電車区のモノクラス編成の381系が特急こうのとりに運用されたのは特筆すべきところだろう。

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2012年3月17日のダイヤ改正では寝台特急日本海と夜行急行きたぐにが廃止となった。これにより関西地区を発着する夜行列車は不定期のトワイライトエクスプレス1往復を除いて全て姿を消した。特急こうのとりに続いて特急くろしおにも287系が投入された。これに伴い紀勢線特急の愛称名が全てくろしおに統一された。
2013年3月16日ダイヤ改正では、平日朝夕の新快速の12両運転の時間帯が拡大された。平日上り朝に姫路発大阪行きの新快速を増発。また、平日夕方下りの大阪発姫路行きの新快速を2本増発した。これに伴い、下り夕方に残っていた外側快速がなくなり、外側線を走行する快速は朝ラッシュ時のみとなった。普通は高槻~京都間で、土休日11時台、12時台に4本が増発されたが、平日11時台から14時台、土休日13時台と14時台の列車が廃止された。

  

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