JR神戸線データイムダイヤ【2023年3月18日改正】

223系W8新快速姫路

1．概要

JR神戸線のデータイムダイヤは、15分サイクルに新快速1本、快速1本、普通2本が運転されている。JR発足時から運転本数は大きく変わっていない。東西線経由の普通が設定されて、普通の運行系統が3系統になったぐらいで、根本的なところは、この30年で変わってはいない。

新快速、快速は全てJR京都線、JR琵琶湖線に直通しており、普通もJR京都線に直通している。特急は智頭急行経由で鳥取方面へ直通するスーパーはくとと播但線経由で豊岡、香住、浜坂方面へはまかぜが運転されている。大阪～尼崎間では福知山線特急のこうのとりも乗り入れている。同区間ではこの他にJR宝塚線区間快速が毎時4本乗り入れてきている。

2．2023年3月18日ダイヤ改正

2023年3月18日ダイヤ改正で、新快速のAシート連結列車が増発された。全体で2往復から6往復に増発された。データイム時間帯には下りが3本、上りが1本が運転されている。

特急はまかぜの行先が変更され、1号は浜坂行きから鳥取行きに変更され、大阪発9時38分から7時48分に変更された。5号は鳥取行きから豊岡行きに、2号は鳥取始発から城崎温泉始発に、4号は浜坂始発から鳥取始発に変更された。

3．特急

キハ189系特急はまかぜ2号

JR神戸線の特急は山陰方面へ向かうスーパーはくと、はまかぜが運転されている。大阪～尼崎間では福知山線経由の特急こうのとりも乗り入れている。特急こうのとりは尼崎に停車し、神戸方面からの利便性を確保している。特急こうのとりは下りが9時台から15時台まで毎時1本運転されている。上りは9時台から16時台まで毎時1本運転されているが、13時台の運転はない。

特急スーパーはくとは京都～倉吉、鳥取間の運転で、上郡から智頭急行と因美線を経由して鳥取へ向かう。1日7往復の運転で、概ね2時間おきに運転されている。京都から上郡までの停車駅は新大阪、大阪、三ノ宮、明石、姫路、上郡で、神戸や相生は通過する。大阪～姫路間の所要時間は下り最速が54分、上り最速が53分となっている。53分の列車は表定速度99.5km/hにもなる。データイムの列車は下りで最遅57分、上りで最遅54分となっている。

智頭急行のHOT7000形5両編成を基本に、多客期には6両以上に増結されることもある。半室グリーン車を連結し、指定席に加えて自由席も2両連結している。2008年6月から車両リニューアルとともに全車禁煙となった。

特急はまかぜは大阪～豊岡、城崎温泉、香住、鳥取間に3往復が運転されている。データイムには2往復が運転されている。姫路から播但線経由で、豊岡、城崎温泉、香住、鳥取まで運転されており、三ノ宮や神戸、姫路から豊岡など北近畿方面への需要に対応した列車となっている。智頭急行開業以前は大阪から鳥取へのメインルートとなっていた。智頭急行開業によりその任は解かれたが、1往復だけ鳥取まで足を延ばしている。

姫路までの停車駅は三ノ宮、神戸、明石、姫路で、スーパーはくとと違い神戸にも停車する。県庁所在地駅である神戸(県庁へは実質的に元町の方が近いが)と兵庫県北部を結ぶ役割を果たしていることが窺える。大阪～姫路間の所要時間は下り最速が57分、上り最速が58分となっている。スーパーはくとより1駅停車駅が多いのに所要時間は3～4分長くなっている。制御付き振り子を搭載するHOT7000と振り子機能がないキハ189系の差が出ているのだろう。キハ181系時代にはさらに最高速度や加減速にも差があったので、これでも差は縮まった方だろう。

使用車両は先述したキハ189系で、3両編成を基本に多客期には6両で運転されている。3両モノクラス編成で、グリーン車の連結はない。2009年6月1日から全車禁煙となり、2010年11月7日からキハ181系からキハ189系に置き換えられた。2021年3月13日ダイヤ改正から全車指定席となっている。

4．新快速

223系W6

新快速は大阪発毎時00分、15分、30分、45分のきっかり発車で15分毎に運転されている。上りも同様に京都方面に00分、15分、30分、45分のきっかり発車となるため、大阪着13分、28分、43分、58分で運転されている。湖西線経由敦賀、近江塩津、野洲、草津の各駅から姫路まで運転されている。かつては播州赤穂行きが毎時1本運転されていたが、2016年3月26日ダイヤ改正でデータイムの乗り入れはなくなった。2022年3月12日ダイヤ改正では長浜行きが草津行きに短縮され、琵琶湖線野洲～長浜間のデータイムの新快速は毎時1本の運転となった。

大阪～姫路間の停車駅は、尼崎、芦屋、三ノ宮、神戸、明石、西明石、加古川で、1997年3月8日ダイヤ改正で尼崎が追加された以降、停車駅は変わっていない。大阪～姫路間の所要時間は62分で、大阪～三ノ宮間は21分となっている。2006年にゆとりダイヤを実施する前は、大阪～姫路間は57分、大阪～三ノ宮間は19分で走っており、2～5分程度遅くなっている。今でも十分速いが、ゆとりダイヤ実施前は停車時分も切り詰められており、余裕時分がほとんどないダイヤで運行されていた。国鉄時代にゆとりを持たせ過ぎて、競争力を失ってきた反省から、JR発足後は余裕時分を切り詰めてスピードアップを行ってきた。その行き過ぎが福知山線事故の要因の一つとなったこともあり、それ以降はダイヤに余裕を持たせるようになり、無理なスピードアップは行われなくなった。とはいえ、新快速は130㎞/h運転を行った上で、停車時分などを延ばしているので、国鉄時代のようにトロトロ走っているわけではない。現在のダイヤがまともなダイヤになったと言える。

新快速は2019年3月16日ダイヤ改正からAシート連結列車が1日2往復運転されていたが、2023年3月18日ダイヤ改正で、1日6往復の運転に変更された。JR神戸線では平日下りが大阪発10時00分、10時45分、15時45分の3本が運転されている。平日上りは大阪着16時43分に1本運転されている。

データイムの新快速は全て12両編成で運転されている。8両の基本編成に4両の付属編成を連結するため、8号車と9号車の間は通り抜けできない構造になっている。223系2000番台を中心に、223系1000番台、225系0番台、225系100番台が使用されている。130km/hに対応した車両が共通運用されている。今後225系100番台が増備されていくが、引き続き223系1000番台や2000番台も運用されていくものと思われる。

5．快速

223系V30快速加古川

快速は加古川まで毎時4本15分毎の運転、姫路までが毎時2本30分毎の運転となっている。快速の大阪からの停車駅は、尼崎、西宮、芦屋、住吉、六甲道、三ノ宮、元町、神戸、兵庫、須磨、垂水、舞子、明石以遠の各駅となっている。明石以西は各駅に停車し、西明石以遠では普通の役割を果たしている。加古川までは毎時4本15分毎の運転となるが、加古川以西は毎時2本30分毎の運転と運転本数が少なくなる。加古川～姫路間では新快速は毎時4本15分毎の運転のため、普通よりも新快速の方が運転本数が多くなっている。

快速は尼崎で東西線の快速、区間快速と連絡し、芦屋で普通と緩急接続を行う。須磨では当駅止まりの普通と連絡している。新快速には須磨付近で走行中に追い抜かれ、加古川で緩急接続する。快速は内側線を走行するため、新快速ほど速く走れない。それでも大阪～三ノ宮間は27分で走っており、阪急特急とタイとなっている。

快速は221系、223系、225系が使用されており、6両、8両、10両、12両の各編成が使用されている。221系と221系性能の223系以外は新快速と共用されている。225系100番台が増備されているため、221系は本線から転属していく予定である。2022年3月12日改正でも221系の運用離脱が進んだが、223系も一部転属が行われており、改正後も221系の運用は残存している。

6．普通

207系S44普通西明石

普通は高槻から須磨へ運転される系統とJR宝塚線へ運転される系統があり、JR宝塚線方面行きは尼崎で、四条畷始発の東西線直通普通西明石行きと連絡している。普通は以前は芦屋、三ノ宮で新快速と緩急接続していたが、駅増加により連絡ができなくなり、新快速→普通の乗り継ぎのみができるだけとなった。快速とは芦屋で緩急接続している。JR宝塚線方面行きの普通は以前は全て新三田行きだったが、2020年3月14日改正で10時から14時の間は宝塚行きとなった。2022年3月12日ダイヤ改正では、須磨発着の普通の運転時間帯が拡大され、15時台の西明石発着が須磨発着に変更された。

普通は全て7両編成で運転され、207系、321系が運用されている。207系はかつて学研都市線で分割併合を行っていたこともあり、3両編成と4両編成を繋げた7両編成で運転されている。このため、3号車と4号車の間の通り抜けはできない。5号車は終日女性専用車両となっている。