【かつてのスイッチバック駅も今は昔】
JR和歌山線北宇智駅は奈良県五條市にある。普通のみが停車するローカル駅だが、以前は近畿では唯一のスイッチバックの駅として、鉄道ファンなどには有人な駅だった。北宇智駅は1896年10月25日に南和鉄道の駅として開業した。関西鉄道を経て、1907年10月1日に国有化された。2007年3月18日にスイッチバックをやめて、現在のホーム1面1線の通常駅に変更した。
駅構内はホーム1面1線で、ホーム有効長は20m級車両6両停車分ある。
小さな駅舎が王寺方に設けられ、ICカードリーダーと簡易型の自動券売機が設置されている。
スイッチバック式時代のホーム跡が駅の西側に残っている。線路はほとんど剥がされており、跡地は草むらになっているため、痕跡は分かりにくくなってきている。
駅周辺は住宅が建ち並んでいるだけで、商業店舗などはほとんどない。駅前には五條市のコミュニティバスが乗り入れている。
現在のホームと並ぶ形でスイッチバック時代のホームの残骸が残っている。
スイッチバック時代の北宇智駅構内を車内から撮影した写真。右奥がかつてのホームで、左側が和歌山方面へ向かう本線。
ホーム入線後、推進運転で引上げ線に入り、和歌山方面への本線に転線していた。
北宇智駅の2015年度1日あたりの乗車人員は203人で、うち定期利用者は154人となっている。定期比率は75.9%で、定期利用者の比率が高い。10年前の2005年度と比較すると全体で12.2%増、定期利用者は10%増、定期外利用者は19.5%増となっており、少ないながらも増加傾向にある。