1.概要
JR唐津線は佐賀と西唐津を結ぶ42.5kmの路線で、全線単線の非電化ローカル線となっている。久保田~佐賀間は長崎本線に乗り入れ、山本~唐津間ではJR筑肥線と線路を共用している。普通列車のみの運転で、キハ47系気動車やキハ125系気動車が使用され、通常2両、ラッシュ時は最大4両で運転されている。
会社名 | 九州旅客鉄道 |
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路線名 | 唐津線 |
区間 | 久保田~西唐津 |
営業キロ | 42.5km |
駅数 | 13駅 |
平均駅間距離 | 3.55km |
所要時分 | 60分 |
表定速度 | 42.5km/h |
軌間 | 1067mm |
電気方式 | 非電化 |
線路 | 単線 |
保安方式 | ATS |
最高速度 | 85km/h |
最大編成両数 | 2両 |
2.路線ガイド
佐賀駅は2面4線の高架駅で、長大編成の特急列車が発着しているのでホームがかなり長い。唐津線気動車はキハ47系2両編成が多いので、ホームの中央にちょこんと停車する感じになる。佐賀駅では長崎線上り3番ホームから発着している。このため長崎線下り特急とは階段を昇り降りしての乗換えとなっている。できれば鳥栖方に折り返し線を設けて発着を分けるべきだが、ローカル線にそこまでする気はないだろう。しかし、バリアフリーはローカル線でも必要だからできるだけ利用者本位で折り返しなども行ってきめ細かなサービスを提供して欲しいところだ。
佐賀を出ると長崎線をしばらく走る。高架線を真っ直ぐ進み多布施川を渡って地上に下りる。地上に下りてからも真っ直ぐ西進して2面3線の鍋島となる。ホームの他に側線がたくさんあり、貨物駅も併設されている。さらに真っ直ぐ西進して嘉瀬川を渡る手前に仮設のバルーンさが駅がある。川を渡り終えると佐賀市から三日月町に入り、久保田町に灰ってすぐに2面3線の久保田となる。同駅は久保田町の北の端にあり、駅の北側は三日月町となっている。同駅から唐津線の線路に入り、少しだけ長崎線と並行して、唐津線が右にカーブして分かれて行く。国道34号線と交差してしばらく佐賀平野を北上して行く。三日月町の中心部を見ながら、左にカーブして変形の2面2線の小城となる。
- 久保田
- 久保田
- 久保田
- 久保田
- 小城
- 小城
- 東多久
- 中多久
- 多久
- 厳木
- 厳木
- 厳木
小城駅を出ると小城町に入る。小城駅は三日月町内にある。小城町内を走り、長崎自動車道が見えてくると左にカーブして西に向かって走る。多久市に入り、しばらく長崎自動車道、国道203号線と並行して進み、2面2線の東多久となる。長崎自動車道の多久ICを見ながら国道203号線さらに長崎自動車道と交差してそれらの道路と分かれて西進して1面1線の中多久となる。同駅は多久市の中心駅で、駅の周りには中多久団地や病院があり、少し離れたところには多久市役所や警察署、公民館などもある。次の多久は2面2線の行き違い可能駅だが、市街地から少し離れており、中多久ほど賑やかではない。この辺りから国道203号線が再び並行しだし、唐津線とともに右にカーブして進行方向を北西にとる。右手に天山CCを見ながら進み、厳木多久有料道路が近づいてきて、厳木町に入り、同道路の牧瀬ICを見ながら右にカーブして厳木川を渡り、さらに左にカーブして2面2線の厳木となる。同駅は厳木町役場に近いが、厳木温泉などからは離れており、必ずしも町の中心部にあるとは言えない。
厳木を出ると真っ直ぐ西進して、厳木川を渡って相知町に入り、再び厳木川を渡ってもう一度厳木町内に入って1面1線の岩屋となる。岩屋を出ると再び相知町に入り、左にカーブして北西方向に進んで行く。国道203号線と厳木川沿いに進んで、変形2面2線の相知となる。同駅は相知町のメインとなる駅だが、町の中心部とは少し離れており、平山川を渡らなければならない。相知を出て右にカーブして松浦川を渡ると左手から築堤を走る筑肥線が近づいてきて、それがオーバークロスして右手に並行すると1面1線の本牟田部となる。同駅は唐津線のみにホームがあり、筑肥線列車は停まらない。
- 岩屋
- 相知
- 本牟田部
- 山本
- 山本
- 山本
- 山本
- 鬼塚
- 鬼塚
- 鬼塚
- 唐津
- 唐津
松浦川に沿って筑肥線と線路別複線で進み、唐津市に入って2面3線の山本となる。同駅は筑肥線にもホームがあり、伊万里方面にはここで乗り換えるのが便利である。山本を出ると単線となり、松浦川沿いに1面2線の鬼塚がある。松浦川と離れて高架線を駆け上がり、右手から筑肥線姪浜方面からの線路が近づいてきて、それと合流して今度はそちらと線路別複線で高架線を進んで行く。左にカーブして2面4線の唐津となる。唐津駅は南側の1面2線を唐津線、筑肥線が使用し、北側1面2線を筑肥線姪浜方面が使用している。唐津から西唐津までは筑肥線の電車が直通してくるため電化されている。唐津を出ると線路が収束して単線となり、大きく右にカーブして高架線を下りて、右手に側線を見ながら終点の西唐津となる。同駅は1面1線のみだが、駅の向こうには筑肥線電車の車両基地が広がっており、103系や303系の基地だけでなく、唐津線、筑肥線気動車の姿も見られる。駅近くには火力発電所や西ノ浜の海水浴場がある。
駅名 | 駅間距離 | 営業距離 | 営業距離 | 所在地 |
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佐賀 | – | 6.4km | 0km | 佐賀市 |
鍋島 | 3km | 3.4km | 3km | 佐賀市 |
(臨)バルーンさが | 1.8km | 1.6km | 4.8km | 佐賀市 |
久保田 | 1.6km | 0km | 6.4km | 佐賀市 |
小城 | 5.1km | 5.1km | 11.5km | 小城市 |
東多久 | 5.5km | 10.6km | 17km | 多久市 |
中多久 | 3km | 13.6km | 20km | 多久市 |
多久 | 1.6km | 15.2km | 21.6km | 多久市 |
厳木 | 5.6km | 20.8km | 27.2km | 唐津市 |
岩屋 | 2.5km | 23.3km | 29.7km | 唐津市 |
相知 | 2.7km | 26km | 32.4km | 唐津市 |
本牟田部 | 4.1km | 30.1km | 36.5km | 唐津市 |
山本 | 2.8km | 32.9km | 39.3km | 唐津市 |
鬼塚 | 3.7km | 36.6km | 43km | 唐津市 |
唐津 | 3.7km | 40.3km | 46.7km | 唐津市 |
西唐津 | 2.2km | 42.5km | 48.9km | 唐津市 |
3.歴史
1898年(明治31年)12月1日に唐津興業鉄道として山本〜妙見〜大島間が開業した。山本駅、唐津駅、妙見駅、(貨)大島駅が開業した。
1899年(明治32年)6月13日に厳木〜山本間が延伸開業。相知駅、本山駅、厳木駅、鬼塚駅が開業した。
同年12月25日に莇原〜厳木間が延伸開業。莇原駅が新設された。
1900年(明治33年)4月に唐津興業鉄道が唐津鉄道に社名変更
1902年(明治35年)2月23日に唐津鉄道が九州鉄道に合併された。
1903年(明治36年)4月18日に莇原〜柚ノ木原間貨物支線開業。(貨)柚ノ木原駅新設
同年11月1日に本山駅を岩屋駅に改称
同年12月14日に久保田〜莇原間延伸開業し全通。小城駅、別府駅が新設された。
1905年(明治38年)10月11日に妙見駅を西唐津駅に改称
同年10月22日に相知貨物支線分岐点〜相知駅間貨物支線開業。(貨)相知駅が新設された。
1907年(明治40年)7月1日に九州鉄道が買収され国有化、官設鉄道となった。
1909年(明治42年)1月1日に山本〜鹿ノ口間貨物支線開業。(貨)鹿ノ口駅新設、(貨)相知駅を相知炭坑駅に改称。
同年10月12日に国有鉄道線路名称制定。久保田〜西唐津間及び貨物支線(莇原〜柚ノ木原間、相知炭坑分岐点〜相知炭坑間、山本〜鹿ノ口間、西唐津〜大島間)を唐津線とした。
1911年(明治44年)6月1日に別府駅を東多久駅に改称
1912年(明治45年)1月17日に山本〜岸嶽間貨物支線開業、(貨)牟田部駅、(貨)岸嶽駅が新設された。
1月26日に山本〜鹿ノ口間貨物支線が廃止された。
1913年(大正2年)9月21日に山本〜岸嶽間で旅客営業開始、牟田部駅、岸嶽駅を貨物駅から一般駅に変更。蒸気動車運転開始。
1930年(昭和5年)4月1日に貨物支線の起点を中相知信号場から山本に変更した。
1934年(昭和9年)4月1日に莇原駅を多久駅に改称
1940年(昭和15年)に東多久で小城炭鉱から産出される石炭積み出しが開始。出炭可能量15万トン/月に対し、当時の唐津線の輸送能力は5万トン/月程度が限界であり、鉄道省などに輸送力増強に向けた陳情が行われた。
1960年(昭和35年)2月1日に本牟田部駅新設
1964年(昭和39年)4月1日に中多久駅新設
1967年(昭和42年)12月1日に多久〜柚ノ木原間貨物支線が廃止された。
1971年(昭和46年)8月20日に山本〜岸嶽間の支線が廃止された。牟田部駅、岸嶽駅が廃止された。
1978年(昭和53年)10月1日に山本〜相知炭坑駅間貨物支線が廃止された。
1982年(昭和57年)11月15日に西唐津〜大島駅間貨物支線が廃止された。
1983年(昭和58年)3月22日に唐津〜西唐津間電化(直流1500V)、自動閉塞化、同区間で103系1500番台電車の営業運転を開始。
同年9月30日に久保田〜西唐津間でCTC使用開始、CTCセンターは唐津駅に設置。
1986年(昭和61年)11月1日に久保田〜西唐津間の貨物営業廃止。
1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化により九州旅客鉄道が路線を継承。
2000年(平成12年)1月22日から唐津〜西唐津間で303系電車の営業運転を開始
2010年(平成22年)3月13日に唐津〜西唐津にICカードSUGOCAを導入。
2015年(平成27年)2月5日から唐津〜西唐津間で305系電車の営業運転を開始
2016年(平成28年)12月22日か、スマートフォンアプリJR九州アプリ内の列車位置情報システムどれどれ運用開始により、リアルタイムで列車位置情報が配信開始。
2018年(平成30年)9月28日に唐津駅・西唐津駅に、筑肥線区間の駅ナンバリングを導入。