1.概要
会社名 | 阪堺電気軌道 |
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路線名 | 上町線 |
区間 | 天王寺駅前~住吉公園 |
営業キロ | 4.6km |
駅数 | 11駅 |
平均駅間距離 | 0.46km |
所要時分 | 16分 |
表定速度 | 17.3km/h |
軌間 | 1435mm |
電気方式 | 600V直流 |
線路 | 複線 |
最高速度 | 40km/h |
最大編成両数 | 1両 |
初乗り運賃 | 200円 |
1日乗車券 | 600円 |
阪堺電気軌道上町線は天王寺駅前と住吉公園を結ぶ4.6kmの路線である。線内運転と住吉から阪堺線に乗り入れ我孫子道まで運転される系統がある。我孫子道以遠への乗り入れはなく、基本運転系統は2系統となっている。天王寺駅前ではJR阪和線、大和路線、大阪環状線、近鉄南大阪線、地下鉄御堂筋線、地下鉄谷町線と連絡している。住吉では阪堺線と接続し直通運転を行っている。
停留場 | 停留場名 | 読み方 | 駅間距離 | 営業距離 | 敷設種別 | 所在地 | 開業年月日 |
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HN01 | 天王寺駅前 | てんのうじえきまえ | – | 0km | 併用軌道 | 大阪市阿倍野区 | 1900年9月20日 |
HN02 | 阿倍野 | あべの | 0.5km | 0.5km | 大阪市阿倍野区 | 1910年10月1日 | |
HN03 | 松虫 | まつむし | 0.7km | 1.2km | 専用軌道 | 大阪市阿倍野区 | 1910年10月1日 |
HN04 | 東天下茶屋 | ひがしてんがちゃや | 0.3km | 1.5km | 大阪市阿倍野区 | 1900年9月20日 | |
HN05 | 北畠 | きたばたけ | 0.7km | 2.2km | 併用軌道 | 大阪市阿倍野区 | 1910年10月1日 |
HN06 | 姫松 | ひめまつ | 0.4km | 2.6km | 大阪市阿倍野区 | 1900年11月29日 | |
HN07 | 帝塚山三丁目 | てづかやまさんちょうめ | 0.5km | 3.1km | 大阪市住吉区 | 1900年11月29日 | |
HN08 | 帝塚山四丁目 | てづかやまよんちょうめ | 0.3km | 3.4km | 専用軌道 | 大阪市住吉区 | 1940年3月1日 |
HN09 | 神ノ木 | かみのき | 0.3km | 3.7km | 大阪市住吉区 | 1900年11月29日 | |
HN10 | 住吉 | すみよし | 0.6km | 4.3km | 大阪市住吉区 | 1910年10月1日 | |
廃止 | 住吉公園 | すみよしこうえん | 0.2km | 4.5km | 大阪市住吉区 | 1913年7月2日 |
2.歴史
阪堺上町線は1900年(明治33年)9月20日に大阪馬車鉄道として天王寺(後の天王寺西門前)~東天下茶屋間が開業した。軌間1067mmの狭軌を採用していた。同年11月29日に東天下茶屋~上住吉(現在の神ノ木)間が開業した。1902年(明治35年)12月27日に上住吉~下住吉(後の住吉神社前、現在の住吉)間が開業した。1907年(明治40年)3月29日に大阪電車鉄道と改称した。同年10月29日に浪速電車軌道と改称した。
1908年(明治41年)2月1日から電化および1435mm軌間への改軌工事のため全線が廃止された。1909年(明治42年)12月24日に南海鉄道が浪速電車軌道を合併して上町線となった。1910年(明治43年)10月1日に天王寺西門前~住吉神社前間で電車の運転を開始した。
1911年(明治44年)1月29日から大阪市電天王寺西門前~谷町六丁目間で直通運転を開始した。8月20日に大阪市電への直通運転区間を天満橋まで延長した。1912年(明治45年)1月12日に大阪市電への直通運転を廃止した。1913年(大正2年)7月2日に住吉神社前~住吉公園間が開業した。1915年(大正4年)に南海鉄道が阪堺電気軌道を合併したことに伴い、住吉神社前停留場を阪堺線住吉停留場に統合した。
1921年(大正10年)12月21日に天王寺西門~天王寺駅前間を大阪市へ譲渡した。1944年(昭和19年)6月1日に関西急行鉄道と南海鉄道が合併して近畿日本鉄道の路線となった。1947年(昭和22年)6月1日に旧南海鉄道の路線を南海電気鉄道に分離譲渡され、同社大阪軌道線の一路線となった。1980年(昭和55年)12月1日に阪堺電気軌道に分離譲渡された。
2009年(平成21年)7月4日に天王寺駅前~住吉~我孫子道~浜寺駅前間の直通運転を再開した。2016年(平成28年)1月31日に住吉~住吉公園間が廃止された。同年12月3日に天王寺駅前~阿倍野間の線路が移設された。これにより営業距離が0.1km短縮された。
3.ガイド
- 天王寺駅前
- 天王寺駅前
- 天王寺駅前
- 阿倍野
- 阿倍野
- 阿倍野~松虫
- 阿倍野~松虫
- 松虫
- 東天下茶屋
- 北畠
- 姫松
- 帝塚山三丁目
- 帝塚山四丁目
- 帝塚山四丁目
- 神ノ木
- 神ノ木
- 神ノ木
- 住吉
- 住吉
- 住吉
- 住吉公園
- 住吉公園
- 住吉公園
- 住吉公園
- 住吉公園
- 住吉公園
- 住吉公園
- 住吉公園
天王寺駅前はJR天王寺駅の南側、近鉄大阪阿部野橋駅の西側にある。あべの筋の上にあり、停留所は2面1線の形になっている。阪堺線の浜寺公園と同じような形態だが、こちらは停留所にて乗り降りし、電車が詰まる時には縦列停車する。時間帯にもよるが係員が配置され、運賃の収受は車外で行い乗り降りを円滑化している。あべののビル街の中を走り南下していく。阪神高速14号松原線との交点の手前に阿倍野がある。北側に地下鉄谷町線の阿倍野駅がある。ビル街から抜けてあべのの街中を走り、松虫手前であべの筋から外れて専用軌道に入る。松虫、東天下茶屋と専用軌道を走り、北畠手前で再び併用軌道となる。次の姫松を過ぎると大阪市内屈指の高級住宅街帝塚山界隈を走る。阪堺線が下町のディープな大阪の街中を走るのに対して上町線は山手の閑静な住宅街を走る路線と言える。帝塚山三丁目を過ぎて、帝塚山四丁目から専用軌道になる。ここから終点の住吉まで専用軌道となる。築堤を上がって右にカーブして南海高野線をアンダーパスして神ノ木となる。南側に高野線の住吉東があるが、連絡駅というには少し離れている。S字を描くようにカーブして築堤を下りて住吉に着く。下り電停があり、阪堺線と平面交差して通りを渡って上り電停がある。阪堺線への渡り線もあり、我孫子道や浜寺駅前まで直通電車が走っている。
廃止された住吉~住吉公園間は、住吉を出ると阪堺線と交差して前方に南海本線の高架を見ながら左にカーブして終点住吉公園に着いていた。南海本線住吉大社駅の高架下にあり、3面2線を有するターミナル構造で、恵美須町と似たような配線になっていた。