1.概要
近鉄16600系は南大阪線、吉野線など狭軌用の特急車両である。2010年に2両編成2本が製造された。
標準軌用の22600系とほぼ同仕様で、外観デザインなどは同じになっており、狭軌版22600系と言ってもよい。
会社名 | 近畿日本鉄道 |
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形式 | 16600系 |
使用線区 | 南大阪線・吉野線 |
製造メーカー | 近畿車輌 |
制御方式 | VVVFインバータ 2レベルPMW制御IGBT 1C2M |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 定格185kW |
ブレーキ | 回生・抑速併用電気指令電気演算式空気ブレーキ |
台車 | 狭軌用ボルスタレス台車(Mc車KD316, Tc車KD316A) |
最高速度 | 120km/h |
加速度 | 2.5km/h/s |
減速度(通常) | 4km/h/s |
減速度(非常) | 4km/h/s |
製造初年 | 2009年 |
電気方式 | 直流1500V |
軌間 | 1067mm |
保安装置 | ATS |
車体 | 鋼板製 |
座席 | 回転式リクライニングシート |
座席定員 | 43人ク16700 52人モ16600 |
所属 | 古市検車区 |
編成 | 2両 |
既存両数 | 4両 |
2.性能
走行機器は標準軌線ほど高速、急勾配走行がないために、16400系と同様に標準軌線車両より性能を落としたものを採用している。主電動機は三菱電機製定格出力185kWの三相交流誘導電動機を採用した。将来は標準軌路線の通勤車とも共用できる構造としている。フレームレス背面通風構造としたことで電動機の軽量化および冷却性能の向上を図っており、さらにロータ風穴を廃したことで電動機内部に埃が滞留しない構造の採用などで120万kmまでの無分解保守を実現している。歯車比は6.31に設定されている。
制御装置は1C2M方式のIGBT素子使用のVVVFインバータ制御となっている。主回路は二重系となっており、シリーズ21の6820系をベースに特急車用に改良したものを採用している。
抑速回生ブレーキも装備するが、22600系で装備していた回生制動が失効した際に発電制動に切り替える機能と発電制動用の抵抗器は省略された。その代わりに、運転席に回生失効状態を知らせる表示機能が設置された。その他のブレーキシステムは22600系と共通である。
台車は狭軌用ボルスタレス台車を装着する。22600系と異なり、ヨーダンパは備えていない。
補助電源装置は、容量80kVAの静止形インバータをク16700形に搭載する。22600系と同様にインバータを2基装備し冗長化を図っている。空気圧縮機は1,000l/minのものをク16700形に1台搭載している。
3.客室
座席間隔は16400系では1,000mmであったが、16600系では21000系・26000系・23000系・21020系と同一の1,050mmに拡大されている。22600系と同様に各座席にはコンセント電源が備えられており、大型テーブル、フットレストも設置されている。
16600系編成表 | 2両編成 | 4両 | |
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電算記号 | ←大阪阿部野橋 | 吉野→ | |
ク16700Tc | モ16600Mc | 製造年 | |
YT01 | 16701 | 16601 | 2009年 |
YT02 | 16702 | 16602 | 2009年 |
- 16701F
- 16702F