1.概要
JR大和路線は名古屋とJR難波を結ぶJR関西本線のJR難波~加茂間の愛称で、今ではJR難波~加茂間はJR大和路線という名称の方がメジャーになっている。もっとも全国的に見ればJR関西本線の方がメジャーと言えるだろう。関西本線は名古屋を起点にJR難波に至る路線で、JR難波発は上り列車となる。
2.路線データ
会社名 | 西日本旅客鉄道 |
路線名 | JR関西本線 |
愛称名 | JR大和路線 |
区間 | 加茂~JR難波 |
営業キロ | 54km |
駅数 | 22駅 |
平均駅間距離 | 2.58km |
所要時分 | 50分 |
表定速度 | 64.8km/h |
軌間 | 1067mm |
電気方式 | 1500V直流 |
線路 | 複線 |
保安方式 | ATS-P,ATS-SW |
最高速度 | 120km/h |
最大編成両数 | 8両 |
【線路】
JR各線と同様1067㎜狭軌を採用。JR難波~木津間は複線。木津~加茂間は単線。今宮~天王寺間は複々線で、そのうち大阪環状線が複線を使用している。
【電気方式】
1500V直流電化。1973年(昭和48年)10月1日に湊町(現在のJR難波)~奈良間が電化完成。1984年(昭和59年)10月1日に奈良~木津間が電化完成。1988年(昭和63年)3月13日に木津~加茂間が電化され、JR難波~加茂間の電化が完成した。
【最高速度】
天王寺~奈良間は最高速度120㎞/h、JR難波~天王寺、奈良~加茂間は最高速度95㎞/hとなっている。
最高速度120㎞/hで走る電車は大和路快速、区間快速、快速、直通快速で、普通電車は100㎞/hとなっている。
【保安方式】
JR難波~王寺間ではATS-P型を使用。王寺~加茂間では拠点型のATS-PとATS-SWを併用。
【運転指令所】
大阪総合指令所が管轄し、運行管理システムは大阪環状・大和路線運行管理システムが運用されている。
【ICカード】
JR難波~加茂間全区間でICOCAなどICカード乗車券の利用が可能になっている。
【2020年度混雑率】
快速は久宝寺~天王寺間が最混雑区間で、最混雑時間帯7:25~8:25までで、この時間帯の輸送力は12,150人/Hで、輸送人員は10,195人/H、混雑率は84%となっている。
普通は東部市場前~天王寺間が最混雑区間で、最混雑時間帯は7:40~8:40で、この時間帯の輸送力は5,040人/H、輸送人員は4,740人/H、混雑率は94%となっている。
3.列車種別
大和路線では大和路快速、快速、区間快速、直通快速、普通の5種別が運転されている。このうち、JR難波発着の列車は快速と普通のみで、その他の種別は他線に直通する種別となっている。2006年3月18日のダイヤ改正で急行かすがが廃止されて加茂以東から気動車列車の定期乗り入れはなくなった。同時に亀山以東では優等列車の運転も消滅した。臨時列車で新大阪~奈良間に381系臨時特急まほろばが運転されたこともあり、現在でもおおさか東線経由で新大阪~奈良間に287系を使用した臨時特急まほろばが運転されている。臨時列車の運転はあるが、定期運転の優等列車の運転は暫く設定されていない。
【大和路快速】
大和路快速は大阪環状線に直通する快速で、天王寺から大阪環状線を1周し、天王寺から大和路線の奈良、加茂までの運転されている。平日データイムと土休日の朝から夕方時間帯まで運転されている。土休日の夕方には五条まで直通する電車も設定されている。
大和路快速の停車駅は大阪環状線内天王寺から大阪までの各駅と福島、西九条、弁天町、大正、新今宮、天王寺、久宝寺、王寺以遠の各駅。
大和路快速は221系8両編成を使用している。土休日ダイヤで設定されている五条行きは王寺で奈良行きと五条行きに分割併合する。
【快速】
快速はJR難波発着で運転されている。JR難波~王寺、奈良、加茂間に運転され、朝夕ラッシュ時には和歌山線高田や五条まで直通する列車や奈良から桜井線を経由して王寺から大和路線に入る列車も設定されている。快速はデータイムの運転はなくなり、朝夕ラッシュ時の運転となった。
快速の停車駅は新今宮、天王寺、久宝寺、王寺以遠の各駅。基本停車駅は大和路快速と変わらない。
快速は221系4両・6両・8両編成を使用している。高田や五条へ直通する列車は王寺で8両編成を4両に分割して、高田、五条へ向かう列車と奈良、加茂へ向かう列車が分割併合する。
【区間快速】
区間快速はラッシュ時に大和路快速に代わり、大阪環状線内各駅に停車する列車として設定されている。天王寺~大阪~奈良、加茂間に運転されている。一部列車は和歌山線高田や五条に直通している。
区間快速の停車駅は大阪環状線天王寺までの各駅と久宝寺、王寺以遠の各駅。天王寺~王寺間は大和路快速、快速と同じ停車駅となっている。
使用車両は221系8両編成となっている。以前は201系や103系も運用されていたが、221系の転入などにより221系に統一されている。
【直通快速】
直通快速は久宝寺からおおさか東線に直通する列車で、おおさか東線が開業した2008年3月15日ダイヤ改正で新設された。おおさか東線新大阪から久宝寺を経由して奈良まで運転されている。平日は朝夕に運転され、朝は奈良発新大阪行きが4本、夕方に新大阪発奈良行きが4本運転されている。土休日にも運転があり、土休日ダイヤでは新大阪から奈良への観光客にも配慮して、朝は奈良発新大阪行き2本、新大阪発奈良行き2本、夕方も新大阪発奈良行き2本、奈良発新大阪行き2本が運転されるダイヤになっている。
直通快速の停車駅は新大阪から放出、高井田中央、JR河内永和、久宝寺、王寺以遠の各駅。
使用車両は207系、321系7両編成で、201系快速が撤退されて、大和路線唯一ロングシートで運転される快速となった。
【普通】
普通はJR難波から柏原、王寺、奈良へ運転されている。使用車両は201系6両編成と221系6両編成で、221系への置き換えが進められており、2023年には221系に統一される予定である。
JR大和路線停車駅表 | |||||
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駅名 | 大和路快速 | 直通快速 | 快 速 | 区間快速 | 普 通 |
大阪 | ○ | ○ | |||
福島 | ○ | ○ | |||
西九条 | ○ | ○ | |||
弁天町 | ○ | ○ | |||
大正 | ○ | ○ | |||
JR難波 | ◎ | ○ | ◎ | ||
今宮 | ○ | ○ | |||
新今宮 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
天王寺 | ○ | ○ | ○ | ◎ | |
東部市場前 | ○ | ||||
平野 | ○ | ||||
加美 | ○ | ||||
久宝寺 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
八尾 | ○ | ||||
志紀 | ○ | ||||
柏原 | ◎ | ◎ | |||
高井田 | ○ | ||||
河内堅上 | ○ | ||||
三郷 | ○ | ||||
王寺 | ○ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
法隆寺 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
大和小泉 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
郡山 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
奈良 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
平城山 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
木津 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
加茂 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
3.歴史
JR大和路線は1889年(明治22年)5月14日に大阪鉄道として湊町〜柏原間16.2kmが開業した。湊町駅(現在のJR難波駅)・天王寺駅・平野駅・八尾駅・柏原駅が開業した。1890年(明治23年)9月11日に柏原~亀瀬仮停車場間5.9kmが延伸開業した。亀瀬仮停車場が開業。同年12月27日に奈良~王寺間15.3kmが開業した。奈良駅・郡山駅・法隆寺駅・王寺駅が開業した。1890年(明治23年)2月19日に関西鉄道三雲~柘植間の開業により、柘植駅が開業した。
1891年(明治24年)2月8日に王寺~稲葉山仮停車場間2.2kmが延伸開業した。稲葉山仮停車場が開業。稲葉山仮停車場~亀瀬仮停車場間は徒歩・人力車連絡。。1892年(明治25年)2月2日に亀瀬仮停車場~稲葉山仮停車場間1.2kmが延伸開業し、湊町~奈良間が全通。これにより稲葉山仮停車場・亀瀬仮停車場は廃止された。
1896年(明治29年)4月18日に奈良鉄道として木津~奈良間7.0kmが延伸開業し、京都~奈良間が全通した。1899年(明治32年)3月1日に今宮駅が開業した。1900年(明治33年)6月6日に大阪鉄道が関西鉄道に路線を譲渡。1905年(明治38年)2月7日に奈良鉄道が関西鉄道に路線を譲渡した。
1898年(明治31年)4月19日に支線 加茂~大仏間8.7kmが開業し、名古屋~加茂間が本線に、柘植~草津間が支線に変更された。大仏駅が開業。同年11月18日に加茂~新木津間が延伸開業し、網島方面への路線(のちの片町線)に接続した。名古屋~網島間が全通し、直通列車が運転を開始した。1899年(明治32年)5月21日に支線 大仏~奈良間1.1kmが延伸開業し、名古屋~奈良間が全通した。
1900年(明治33年)6月6日に大阪鉄道が関西鉄道に路線を譲渡。名古屋~大仏~湊町間が本線に、加茂~網島間が支線に変更された。同年9月1日に列車運行上の本線が名古屋~大仏~湊町間に変更された。1903年(明治36年)1月29日に天王寺~湊町間が複線化。同年3月1日に第五回内国勧業博覧会開催にあわせ、支線 天王寺~博覧会間が開業。博覧会駅が開業。天王寺~今宮間にも博覧会付属乗降場が開設。11月1日に支線天王寺~博覧会間が廃止。博覧会駅・博覧会付属乗降場が廃止された。1905年(明治38年)2月7日に奈良鉄道が関西鉄道に路線を譲渡された。
1907年(明治40年)8月21日に加茂~木津間が開業。加茂~大仏~奈良間、加茂~新木津間が休止。大仏駅が休止。1907年(明治40年)10月1日に関西鉄道が国有化された。11月1日に加茂~新木津間が正式に廃止された。
1908年(明治41年)3月30日に柏原~天王寺間が複線化。10月7日に郡山駅 – 法隆寺駅間に安堵信号所が開設。11月5日に安堵信号所が廃止。1909年(明治42年)4月1日に志紀駅・加美駅・百済駅(初代)が開業。
1909年(明治42年)10月12日に国有鉄道線路名称制定により、名古屋~奈良~湊町間が関西本線となった。1910年(明治43年)12月1日に久宝寺駅が開業。1911年(明治44年)11月5日に王寺~柏原間に青谷信号所が開設。1914年(大正3年)3月20日に木津~奈良間が複線化。1915年(大正4年)2月13日に木津~奈良間に佐紀仮信号所を開設。6月7日に佐紀仮信号所が廃止。
1920年(大正9年)8月25日:大和小泉駅が開業。1923年(大正12年)12月15日に青谷信号場~柏原間が複線化。1924年(大正13年)3月30日に王寺~青谷信号場間が複線化。8月10日に木津~奈良間に都跡仮信号場(初代)が開設。1925年(大正14年)6月16日に郡山~大和小泉間が複線化。8月26日に奈良~郡山間が複線化。1926年(大正15年)1月10日に都跡仮信号場(2代目)が開設。4月30日に大和小泉~法隆寺間が複線化。7月22日に法隆寺~王寺間が複線化。1927年(昭和2年)4月19日に青谷信号場が駅に変更され河内堅上駅が開業。
1928年(昭和3年)12月1日に貨物支線 今宮~浪速~大阪港間8.37kmが開業。1931年(昭和6年)7月8日に加美~平野間に正覚寺信号場(初代)が開設された。1932年(昭和7年)1月27日に王寺~河内堅上間に亀ノ瀬信号場が開設された。同年2月1日に王寺~河内堅上間の亀ノ瀬トンネルが地滑りで変形したため使用不可能となり、同区間が不通となった。2月20日に亀ノ瀬トンネルの東口に亀ノ瀬東口仮停車場(亀ノ瀬信号場から変更)、西口に亀ノ瀬西口仮停車場が開設。王寺~亀ノ瀬東口仮停車場間・亀ノ瀬西口停車場間が運行再開、両仮停車場間は徒歩連絡となった。6月1日に柏原駅南方900m、大阪電気軌道桜井線(現在の近鉄大阪線)安堂駅に隣接する箇所に柏原仮乗降場が設置され、同線と和歌山線下田駅(現在の香芝駅)と大軌下田駅を用いて不通区間の代替輸送が開始。12月31日に不通だった王寺~河内堅上間を大和川対岸の新線に切り替えて単線で復旧。途中に藤井信号場が開設された。
1933年(昭和8年)1月1日に亀ノ瀬東口仮停車場・亀ノ瀬西口仮停車場・柏原仮乗降場が廃止された。10月14日に木津~奈良間に佐保仮信号場が開設された。11月28日に王寺~藤井信号場間が複線化された。1935年(昭和10年)12月30日に藤井信号場~河内堅上間が複線化。藤井信号場が廃止された。
1936年(昭和11年)1月15日に佐保仮信号場が廃止された。1938年(昭和13年)10月1日に八尾~久宝寺間に竜華操車場が開設された。1939年(昭和14年)10月15日に正覚寺信号場(初代)が廃止された。1941年(昭和16年)7月25日に加美~平野間に正覚寺信号場(2代目)が開設された。1947年(昭和22年)3月15日に木津~奈良間に佐保信号場(初代)が開設された。同年10月に志紀駅が休止された。
1950年(昭和25年)10月1日に東京~湊町・鳥羽間で夜行急行列車が運転開始。翌月「大和」と命名された。1952年(昭和27年)9月1日に貨物支線(阪和貨物線)八尾~竜華操車場~杉本町間 11.3kmが開業した。1953年(昭和28年)11月11日に急行「大和」の鳥羽編成が「伊勢」として分離された。
1955年(昭和30年)3月22日に名古屋~湊町間の準急に気動車(のちのキハ50形・キロハ18形であるキハ44600形・キロハ47000形)が投入された。国鉄初の気動車による優等列車となった。1956年(昭和31年)3月15日に貨物支線 浪速~大阪東港間3.0kmが開業した。同年11月17日に加茂~木津間が、鹿背山トンネル経由から不動山トンネル経由に変更された。同年11月20日に佐保信号場(初代)が廃止された。
1958年(昭和33年)11月1日に名古屋~湊町間の準急が「かすが」と命名された。1961年(昭和36年)2月1日に法隆寺~王寺間が再複線化された。同年3月6日に郡山~法隆寺間が再複線化された。同年3月21日に奈良~郡山間が再複線化。4月25日に貨物支線 今宮~浪速~大阪港間8.2km、浪速~大阪東港間3.0kmが大阪環状線に編入された。10月11日に志紀駅が八尾寄りに0.2km移転し営業再開した。12月10日に奈良~湊町間が他線からの直通列車の一部を除き気動車に統一。正覚寺信号場(2代目)が廃止された。
1963年(昭和38年)4月1日に加美駅が平野方面に0.3km移転された。9月10日に1945年ごろから休止中だった百済駅(初代)が廃止された。10月1日に貨物支線 平野~百済(2代目、現在の百済貨物ターミナル駅)間1.4kmが開業。貨物駅として百済駅(2代目)が開業。1964年(昭和39年)11月24日に貨物支線 百済~百済市場間2.1kmが開業。貨物駅として百済市場駅が開業した。
1965年(昭和40年)3月1日に阪和貨物線 八尾~杉本町間が旅客営業開始。名古屋~東和歌山間に阪和貨物線経由で気動車特急「あすか」が運転開始。1966年(昭和41年)3月5日に準急「かすが」が急行になった。1967年(昭和42年)2月28日に平野~天王寺間の下り線が高架化。9月28日に平野~天王寺間の上り線が高架化。10月1日ダイヤ改正で特急「あすか」が廃止された。
1968年(昭和43年)3月22日に天王寺~新今宮間が複々線化され、大阪環状線と分離運転を開始した。10月1日に急行「大和」「伊勢」「那智」が統合され、急行「紀伊」が運転開始。急行「かすが」の奈良~湊町間は上り1本を残して快速になった。1972年(昭和47年)3月15日に新今宮駅に停車開始。急行「紀伊」の王寺・鳥羽発着の列車が廃止された。
1973年(昭和48年)10月1日に奈良~湊町間が電化され、亀山~奈良間で蒸気機関車が全廃された。10月1日に急行「かすが」の運転区間が名古屋~奈良間に短縮された。10月7日に休日のみ快速が大阪環状線への直通運転を開始した。1974年(昭和49年)7月20日に平日の快速も大阪環状線への直通運転を開始した。1980年(昭和55年)3月3日に三郷駅が開業した。
1982年(昭和57年)8月1日に台風10号と集中豪雨の影響により、王寺駅・王寺機関区が浸水する被害を受けた。1983年(昭和58年)3月8日に亀山~木津間で列車集中制御装置 (CTC) が導入された。1984年(昭和59年)2月1日に貨物支線 百済~百済市場駅間2.1kmが廃止された。9月1日に木津~奈良間に佐保信号場(2代目)が開設された。10月1日に奈良線京都~木津間の電化に合わせて、木津~奈良間が電化された。
1985年(昭和60年)3月14日に新今宮~湊町間の貨物営業が廃止された。同年8月29日に河内堅上~柏原間に高井田駅が開業。12月1日に木津~奈良間に平城山駅が開業。1986年(昭和61年)11月1日に竜華操車場が信号場に変更され竜華信号場が開設された。
1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化により、JR西日本の路線となった。JR貨物が平野~百済間1.4kmの第一種鉄道事業者、木津~新今宮間45.5km、竜華信号場~杉本町間10.5kmの第二種鉄道事業者となった。亀山~木津間の貨物営業が廃止された。
1988年(昭和63年)3月13日ダイヤ改正で、加茂~木津間が電化された。加茂~湊町間に大和路線の愛称が付けられた。加茂~大阪環状線間の快速が大和路快速に変更。昼間時の湊町発着の快速(郡山駅・大和小泉駅は通過)が増発され、天王寺~奈良間では大和路快速と合わせて10分毎の運転となった。加茂・木津~湊町・大阪間にやまとじライナーが新設された。381系を使用するホームライナー。同年4月24日から10月23日まで「なら・シルクロード博覧会」の開催に伴い、大阪環状線・西九条駅構内の配線を変更して大阪環状線と梅田貨物線を結ぶルートが開通し、臨時快速「シルクロード号」が加茂・奈良~新大阪間(湊町発着快速の一部を行先変更)で、また奈良から阪和貨物線経由で紀勢本線御坊駅までの臨時快速列車がそれぞれ運転された。
1989年(平成元年)3月11日ダイヤ改正で、朝夕ラッシュ時に大阪環状線に直通する区間快速が運転開始。大阪環状線内は各駅に停車となった。大阪環状線との直通運転を夕方以降にも拡大。郡山・大和小泉停車の快速及び和歌山線・桜井線直通の快速が区間快速に変更された。同年4月10日から大和路快速で221系電車が運用が開始された。11月11日に平野~天王寺間に東部市場前駅が開業した。
1993年(平成5年)2月10日に王寺~湊町間で ATS-P(トランスポンダ方式)使用を開始した。1994年(平成6年)9月4日に湊町がJR難波に改称された。関西国際空港開港に伴い、JR難波~関西空港間で関空快速が運転開始。天王寺で大阪環状線京橋発着の関空快速と併結・分割した。1996年(平成8年)3月22日に連続立体交差事業により、今宮駅が高架化、JR難波駅が地下化された。同年10月5日に加茂~JR難波間で、平日ダイヤで運転されていた土曜日が、休日ダイヤで運転されるようになった。
1997年(平成9年)3月8日に久宝寺が区間快速の停車駅になった。和歌山線直通列車が増発され、昼間時のJR難波駅発着の快速が全て和歌山線高田~JR難波間の区間快速となった。これにより郡山・大和小泉通過の快速は消滅した。同年7月28日に竜華信号場が廃止され、八尾駅に統合された。9月1日に久宝寺駅の下り待避線が使用開始。1998年(平成10年)3月14日に久宝寺駅の上り待避線が使用開始。
1999年(平成11年)5月10日ダイヤ改正で、関空快速のJR難波発着編成の天王寺での大阪環状線京橋発着関空快速との併結・分割を中止し、JR難波~関西空港間をJR難波発着編成単独での運転になった。2001年(平成13年)3月3日に久宝寺が大和路快速の停車駅になった。
2003年(平成15年)4月1日にJR貨物の第二種鉄道事業木津~平野間40.6km、竜華信号場~杉本町間10.5kmが廃止された。同年11月1日から加茂~JR難波間でICOCAなどICカードの利用が可能になった。2004年(平成16年)7月1日に貨物支線(阪和貨物線) 八尾~杉本町間が休止となった。同年10月18日に奈良~JR難波間で女性専用車が導入された。
2006年(平成18年)3月18日ダイヤ改正で急行「かすが」が廃止された。4月1日にJR貨物の第二種鉄道事業(平野~新今宮間4.9km)が廃止された。12月16日に加茂~王寺間でATS-P(拠点P方式)使用開始された。2008年(平成20年)3月15日におおさか東線の開業により奈良~尼崎間におおさか東線・JR東西線経由で直通快速が新設された。JR難波発着の区間快速が快速に変更され、区間快速は大阪環状線直通の列車に統一された。大阪環状線直通の関空快速増発により、JR難波発着の関空快速が廃止された。6月29日に奈良駅の大和路線ホームが高架化された。
2009年(平成21年)3月31日に貨物支線(阪和貨物線) 八尾~杉本町間11.3kmが廃止された。7月1日に木津~JR難波間の各駅でホーム上の喫煙コーナーを廃止して全面禁煙化。10月4日に加茂~JR難波間で大阪環状・大和路線運行管理システムが導入された。2010年(平成22年)12月1日に組織改正により、加茂~JR難波間が大阪支社の管轄から近畿統括本部の管轄に変更された。
2011年(平成23年)3月12日ダイヤ改正で、平野~百済間が電化完成。ダイヤ改正により、加茂~JR難波間の昼間時のダイヤが20分ヘッドから15分ヘッドに変更された。これにより大和路快速、快速、普通がそれぞれ15分毎に運転されるようになった。朝夜に運転されていたやまとじライナーが廃止された。同年4月18日に奈良~JR難波間で女性専用車が毎日、終日設定された。2013年(平成25年)3月16日に百済駅が百済貨物ターミナル駅に改称された。2015年(平成27年)3月14日から路線記号が導入された。