JR大阪環状線

LS3

LS3

1.概要

JR大阪環状線は天王寺から鶴橋、京橋、大阪、西九条、新今宮を経て天王寺に至る路線で、線路戸籍上は新今宮~天王寺間はJR関西線の複々線扱いだが、大阪を1周する路線として親しまれている。大阪環状線は1周21.7kmで、東京の山手線34.5kmよりも一回り小さいといったところだ。また、山手線が東京の中心部を走るのに対し、大阪環状線は大阪市内の外延部に近いところを走るため、混雑率はそれほど高くない。特に西側は私鉄ターミナル駅がないこともあり、東側より混雑率が低くなっている。このため、大和路線や阪和線から直通する快速の運転や関空特急はるか、紀勢線特急のバイパス、桜島線直通列車の設定など多種多様な列車の直通運転を行っている。

列車種別は環状運転一系統のみの山手線と違い、大阪環状線は多岐に渡っている。環状運転が基本になるが、これに加えてゆめ咲線(桜島線)直通電車も運転されている。また、大和路線から大和路快速、区間快速、阪和線から関空紀州路快速・直通快速が乗り入れてきて、常時直通運転を行っている。さらに梅田貨物線を介して新大阪、京都から関空特急はるか、紀勢線特急オーシャンアロー、スーパーくろしお、くろしおが乗り入れてくる。

会社名 西日本旅客鉄道
路線名 大阪環状線
区間 大阪~大阪
営業キロ 21.7km
駅数 19駅
平均駅間距離 1.21km
所要時分 41分
表定速度 31.8km/h
軌間 1067mm
電気方式 1500V直流電化
線路 複線
保安方式 ATS-P
最高速度 100km/h
最大編成両数 9両
駅名 はるか くろしお 関空快速 紀州路快速 大和路快速 快速 直通快速 区間快速 普通
天王寺    
寺田町    
桃谷    
鶴橋    
玉造    
森ノ宮    
大阪城公園    
京橋    
桜ノ宮    
天満    
大阪    
福島    
野田            
西九条  
弁天町    
大正    
芦原橋            
今宮            
新今宮    
天王寺
※1 ◎は始発、終着列車あり。○は停車。▲は一部停車。
※2 関空特急はるか、くろしおは西九条から貨物線に入る。
※3 くろしおの朝夕一部の列車のみ西九条に停車。
※4 快速は夜間の東岸和田行き、日根野行きで運転。
※5 直通快速は朝ラッシュ時に阪和線直通として運転。環状線内各駅に停車。
※6 区間快速は朝夕ラッシュ時などに大和路線直通として運転。環状線内各駅に停車。

2.路線ガイド

JR大阪環状線(天王寺~京橋~大阪間)ガイド【大阪環状線のドル箱区間を行く】
3.JR大阪環状線(天王寺~京橋~大阪間)路線ガイド 大阪環状線は天王寺駅の11~14番線から発着している。12番線と13番線は乗降分離になっており、天王寺折り返しの大和路快速(環状線を1周してきた電車)やラッシュ時の直通快速、関空紀州路快...
JR大阪環状線(大阪~西九条~天王寺間)ガイド【快速電車が行き交い特急も乗り入れる】
4.JR大阪環状線(大阪~西九条~天王寺間)路線ガイド 大阪を出ると中央に折り返し線を挟み、JR京都線が右カーブして分かれていき阪神高速池田線がオーバークロスすると1面2線の福島となる。福島ではJR東西線新福島、阪神本線福島と連絡している。...
103系大阪環状線

103系大阪環状線

3.歴史

1889年(明治22年)5月14日
大阪鉄道 柏原〜天王寺〜湊町(現在のJR難波)間が開業。天王寺駅開業。

1899年(明治32年)3月1日
今宮駅が開業。

1900年(明治33年)6月6日
大阪鉄道が関西鉄道に合併。

1907年(明治40年)10月1日
関西鉄道が国有化。

1909年(明治42年)10月12日
国有鉄道線路名称制定により、名古屋〜奈良〜湊町間が関西本線となった。

1928年(昭和3年)12月1日
関西本線貨物支線(大阪臨港線) 今宮〜浪速〜大阪港間が開業。

1956年(昭和31年)3月15日
貨物支線 浪速〜大阪東港間が開業。大阪東港駅が開業。

城東線
1895年(明治28年)5月28日
大阪鉄道 天王寺〜玉造間が開業。桃山駅・玉造駅が開業。
同年10月17日玉造〜梅田間が延伸開業。京橋駅・天満駅・梅田駅開業。

1896年(明治29年)12月10日
玉造〜大阪砲兵工廠(後の大阪陸軍造兵廠)間の側線開業。

1898年(明治31年)4月27日
桜ノ宮駅が開業。

1900年(明治33年)6月6日
大阪鉄道が関西鉄道に合併。梅田駅を官営鉄道の大阪駅に統合。

1905年(明治38年)3月1日
桃山駅を桃谷駅に改称。

1907年(明治40年)10月1日
関西鉄道が国有化。

1908年(明治41年)3月30日
寺田町〜玉造間が複線化。

1909年(明治42年)10月12日
国有鉄道線路名称制定により、天王寺〜大阪間が城東線となった。

1913年(大正2年)6月30日
天満〜大阪間が複線化。
同年11月15日桃谷〜玉造間に鶴橋仮聯絡所、京橋〜桜ノ宮間に中野町信号所が開設された。

1914年(大正3年)2月14日
鶴橋仮聯絡所が廃止。
同年3月10日玉造〜天満間が複線化。

1922年(大正11年)4月1日
中野町信号所が中野町信号場に改称。

1927年(昭和2年)12月10日
中野町信号場が廃止。

1930年(昭和5年)4月1日
京橋〜大阪間の貨物営業が廃止された。

1931年(昭和6年)6月1日
玉造〜京橋間に猫間信号場が開設。

1932年(昭和7年)3月29日
桃谷〜猫間信号場間が高架化。玉造〜猫間信号場間に貨物用別線を敷設し3線化。
同年4月21日森ノ宮駅が開業。
同年7月16日寺田町駅が開業。
同年9月21日鶴橋駅が開業。

1933年(昭和8年)2月16日
天王寺〜大阪間が1500V直流電化。桜ノ宮〜大阪間が高架化。電車運転開始。

1943年(昭和18年)10月1日
西成線と城東線の直通運転開始。

1945年(昭和20年)8月14日
太平洋戦争下、京橋〜森ノ宮間付近で空襲。線路や橋脚が破壊されたため桜ノ宮〜鶴橋間が運休。
同年8月23日空襲で被害を受けた区間が復旧。

1947年(昭和22年)
猫間信号場〜大阪陸軍造兵廠間の側線が廃止。

1953年(昭和28年)2月1日
土曜、休日ダイヤが設定された。

1954年(昭和29年)4月1日
天王寺〜寺田町間が複線化。

1955年(昭和30年)6月12日
日曜、祝日ダイヤが設定された。

1957年(昭和32年)4月1日
天王寺〜玉造間の貨物営業が廃止。

1958年(昭和33年)7月15日
全列車の6両運転開始。

1960年(昭和35年)10月1日
101系電車運転開始。

1961年(昭和36年)4月20日
猫間信号場が廃止。玉造〜猫間信号場間の貨物用別線が廃止。玉造〜京橋間の貨物営業が廃止。

1898年(明治31年)4月5日
西成鉄道 大阪〜安治川口間が開業。現在の大阪環状線にあたる区間に福島駅・野田駅が開業。大阪〜福島間は貨物営業のみ。
同年10月1日西九条駅が開業。

1899年(明治32年)5月1日
大阪〜福島間旅客営業開始。

1904年(明治37年)12月1日
鉄道作業局が西成鉄道の路線を借上げ。

1906年(明治39年)12月1日
西成鉄道が国有化。

1909年(明治42年)10月12日
国有鉄道線路名称制定により、大阪〜西九条〜天保山間が西成線となった。

1912年(明治45年)7月17日
福島〜西九条〜安治川口間が複線化。

1931年(昭和6年)11月8日
貨物支線 野田〜大阪市場間が開業。大阪市場駅が開業。

1941年(昭和16年)5月1日
大阪〜西九条〜桜島間が1500V直流電化。

1943年(昭和18年)10月1日
西成線と城東線の直通運転開始。

1950年(昭和25年)2月23日
電力消費規制により、節電ダイヤが実施された。
同年3月6日節電ダイヤが解消。

1961年(昭和36年)4月6日
大阪〜福島間の貨物営業が廃止。

大阪環状線成立以後
1961年(昭和36年)4月25日
西九条〜大正〜天王寺間 (7.4 km)が開業。城東線 (10.7 km)、西成線 大阪〜西九条間 (3.7 km)、野田〜大阪市場間 (1.3 km) を合わせて大阪環状線となった。西成線 西九条〜桜島間は桜島線になった。関西本線貨物支線 今宮〜浪速〜大阪港間 (8.3 km)、浪速〜大阪東港間 (3.0 km) を大阪環状線に編入し、貨物支線の起点が今宮から大正に変更された。弁天町駅・大正駅が開業。境川信号場が開設。

同年11月6日101系が運用開始。

1962年(昭和37年)3月1日
運用車両が101系に統一された。

1964年(昭和39年)3月22日
西九条駅が高架化。大阪〜福島間の複線化により全線複線化が完成し、環状運転開始。新今宮駅が開業。

1965年(昭和40年)3月18日
野田〜西九条間が3線化、野田駅が福島寄りに0.1 km移転。

1966年(昭和41年)4月1日
芦原橋駅が開業。

1968年(昭和43年)3月25日
天王寺〜新今宮間が複々線化され、関西本線と分離運転開始。桜島線との直通運転が入出庫時を除き廃止。

1969年(昭和44年)12月10日
103系電車運転開始。

1970年(昭和45年)8月10日
一部の列車で8両編成で運転開始。

1972年(昭和47年)3月15日ダイヤ改正
休日のみ大阪〜弁天町〜天王寺間で快速が運転開始。

1973年(昭和48年)5月
103系電車に冷房車が投入された。

1973年(昭和48年)10月7日
関西本線の快速が日曜・祝日のみ大阪環状線への直通運転開始。

1974年(昭和49年)7月20日
関西本線の快速が平日にも大阪環状線に直通するようになった。

1976年(昭和51年)3月1日
全列車が8両編成に統一。

1983年(昭和58年)10月1日
大阪城公園駅が開業。
同年10月20日乗車促進ベルが設置された。

1984年(昭和59年)2月1日:貨物支線 野田駅 – 大阪市場駅間 (1.5 km)、浪速駅 – 大阪港駅間 (3.4 km)、浪速駅 – 大阪東港駅間 (3.0 km) が廃止。大阪市場駅・大阪港駅・大阪東港駅が廃止。

1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が境川信号場~浪速駅間の第一種鉄道事業者に、福島~西九条間、新今宮~境川信号場間の第二種鉄道事業者となった。貨物支線の起点が大正から境川信号場に変更された。

1988年(昭和63年)3月13日にやまとじライナーが運転開始。4月に西九条駅構内の配線を変更、大阪環状線から梅田貨物線へのルートが開通し、なら・シルクロード博覧会開催に伴う臨時快速を、湊町(現在のJR難波)発着の快速を行先変更する形で、加茂・奈良~新大阪間で運転。

1989年(平成元年)3月11日ダイヤ改正で、関西本線直通の区間快速を夕方以降に新設して関西本線との直通運転を拡大。
同年4月10日から関西本線への221系電車導入に伴い、関西本線に直通する快速が大和路快速に改称。
7月22日に天王寺構内の関西本線から阪和線への連絡線が開通し、特急くろしおが大阪環状線を介して新大阪・京都まで直通運転を開始。特急スーパーくろしおの運転開始。

1990年(平成2年)3月10日ダイヤ改正で、関西本線直通の区間快速を朝方にも拡大。朝と夜に新大阪発着の阪和線直通列車を設定。
1991年(平成3年)4月1日から全線でATS-P使用開始。
同年4月28日に101系電車の最終運転が行われる。

1993年(平成5年)4月1日に全駅で分煙化が実施され、喫煙コーナーを除いて終日禁煙になった。

1994年(平成6年)9月4日に関西国際空港が開港し、関空特急はるか、関空快速が運転を開始。
1995年(平成7年)4月20日ダイヤ改正で関空特快ウイングの運転開始。
1996年(平成8年)7月31日から283系電車による特急スーパーくろしお オーシャンアローが運転開始。
同年10月5日に平日ダイヤで運転されていた土曜日が、休日ダイヤで運転されるようになった。
1997年(平成9年)3月8日ダイヤ改正で、大阪環状線の今宮が開業。特急スーパーくろしお オーシャンアローがオーシャンアローに改称。京橋・大正を皮切りにJスルーが導入された。
1999年(平成11年)5月10日から各駅に発車メロディと接近メロディと入線メロディが順次導入された。紀州路快速が運転開始し、関空特快ウイングが廃止された。
2001年(平成13年)3月3日にUSJ開業による旅客利便性向上のため桜島線直通運転が再開。特急はるかが朝の一部を除いて西九条にも停車するようになった。
2002年(平成14年)7月1日から女性専用車が試験導入された。
同年7月20日にUSJへのアクセス向上のため、特急くろしお、スーパーくろしお、オーシャンアローの一部が西九条にも停車。
12月2日から女性専用車が本格導入された。
2003年(平成15年)10月1日にコンコースの喫煙コーナーが廃止された。
12月下旬から発車メロディの使用が各駅で順次停止。
2004年(平成16年)11月9日に貨物支線 境川信号場~浪速間の運行休止。
2005年(平成17年)12月15日から201系電車が運転開始。
2006年(平成18年)4月1日に貨物支線 境川信号場~浪速間が廃止された。浪速駅が廃止された。
2007年(平成19年)5月20日に境川信号場が廃止された。
2008年(平成20年)3月に全駅の環状線用ホームで、のりば番号設定が完了。
同年3月15日ダイヤ改正で、天王寺構内の関西本線から阪和線への連絡線が複線化。関空快速・紀州路快速の環状線直通列車を増発、平日ラッシュ時に阪和線と直通する直通快速が運転開始。
10月1日にホーム上の喫煙コーナーが廃止され、全面禁煙化された。
2009年(平成21年)10月4日に大阪環状・大和路線運行管理システムが導入された。
2010年(平成22年)3月13日ダイヤ改正で、特急はるかの西九条の停車を取り止め、日中の6往復を毎日運転の臨時列車に変更された。
同年12月1日に組織改正により、大阪支社の管轄から近畿統括本部の管轄に変更
2011年(平成23年)3月12日ダイヤ改正で、データイムの運行形態が大きく変更され、普通8本/H・快速列車8本/Hに変更された。快速列車の停車駅に大正が追加された。やまとじライナーが廃止された。
同年4月18日から女性専用車が毎日、終日設定された。
2012年(平成24年)3月17日ダイヤ改正で、データイムの桜島線との直通運転が取り止め。快速列車の停車駅に福島が追加された。特急オーシャンアロー、スーパーくろしお、くろしおがすべてくろしおに統一されるた。同年7月1日に一ツ家踏切が廃止され、大阪環状線の踏切が全廃となった。
2014年(平成26年)2月17日から21日の間、新型車両のドア数検討のため、実験的に朝ラッシュ時間帯に3ドア車両(221系・223系・225系)を集中運用。
同年3月15日から京橋・森ノ宮・西九条で発車メロディを復活。5月1日から大阪駅で発車メロディを復活。
2015年(平成27年)3月22日からすべての駅で発車メロディを復活。
2016年(平成28年)12月24日から323系電車の営業運転を開始。
2017年(平成29年)10月3日に103系電車の営業運転を終了した。
2018年(平成30年)3月17日から各駅に駅ナンバーが導入された。
2019年(令和元年)6月7日に201系電車の営業運転を終了。
2020年(令和2年)2月から自動運転列車の試験走行を開始。同年3月14日ダイヤ改正ですべての普通・快速が8両編成となった。

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