阪神本線平日朝ラッシュ時ダイヤ【2022年12月17日改正】

9723F快速急行大阪難波

1．概要

阪神本線平日朝ラッシュ時上りダイヤは、ピーク時間帯に直通特急、区間特急、快速急行、区間急行、普通がそれぞれ12分毎に運転されている。尼崎着7時30分から8時30分の間に24本の運転となっている。快速急行はなんば線直通となるため、尼崎～大阪梅田間は20本の運転となる。以前ほどではないが、優等列車は千鳥停車方式を採用しており、直通特急は甲子園を通過、区間特急は西宮を通過、快速急行は御影を通過して、停車駅が分散化されている。2020年3月14日ダイヤ改正では、早朝に青木始発の区間急行が2本新設された。この列車は青木駅高架化完成と引上げ線の使用開始により新設された。青木始発はこの他に普通も1本も新設されている。また、同改正では下り快速急行が甲子園始発で1本増発された。甲子園始発の快速急行は以前にも運転されていたことがあったので今回の改正で復活となった。

2．2022年12月17日ダイヤ改正

2022年12月17日ダイヤ改正ではダイヤパターンに大きな変更はなかった。快速急行の行先変更が行われ、神戸三宮発7時04分は大阪難波から近鉄奈良行きに変更、神戸三宮発7時16分は近鉄奈良行きから大阪難波行きに変更、神戸三宮発8時15分は近鉄奈良行きから大阪難波行きに変更された。

3．直通特急

8221F直通特急大阪梅田

直通特急は山陽姫路～大阪梅田間の運転となっている。阪神本線内の停車駅は元町から神戸三宮、御影、魚崎、芦屋、西宮、尼崎で、尼崎発7時31分から8時44分の直通特急7本は甲子園を通過する。上記時間帯以外では甲子園にも停車する。直通特急は神戸三宮から尼崎まで快速急行と2分の続行運転を行う。尼崎からは区間特急と4分の続行運転になっており、区間特急は野田に停車するため、大阪梅田到着時には2分続行となる。御影、西宮、尼崎センタープール前、千船で普通を追い抜き、青木では先行の区間特急を追い抜く。ピーク時間帯の列車は阪神車が運用されており、山陽車はピーク前後の運用となっている。直通特急は終日ベースで6両編成で運転されており、時間帯によって編成両数が変わることはない。

4．区間特急

1203F区間特急大阪梅田

区間特急は全て御影始発で運転されている。以前は青木始発で運転されていたが、2016年3月19日ダイヤ改正で御影始発に変更された。区間特急は御影から魚崎、青木、深江、芦屋、打出、香櫨園、今津、甲子園、尼崎、野田に停車する。西宮を通過する唯一の優等列車になっている。区間特急は御影を出ると青木で直通特急、快速急行を待避し、青木から香櫨園まで各駅に停まる。香露園を出ると西宮を通過するため、西宮以降は区間特急、快速急行、直通特急が2分続行で運転される。区間特急は全て6両編成で運転されている。かつて赤胴車と呼ばれた急行系車両を使用するため、各駅に停まる青木～香櫨園間では後続のジェットカーを使用する普通に追いかけられるという逆の展開が見られる。西宮寄りの香櫨園や打出では区間特急が出るとすぐに普通が入ってきたり、駅手前で信号待ちするシーンも見られる。

5．快速急行

1211F快速急行奈良

快速急行は神戸三宮始発で運転され、尼崎から阪神なんば線に入り、大阪難波や近鉄奈良方面へ運転されている。停車駅は神戸三宮から魚崎、芦屋、西宮、甲子園、尼崎、西九条から鶴橋までの各駅。2022年12月17日ダイヤ改正で、神戸三宮発7時04分は大阪難波から近鉄奈良行きに変更、神戸三宮発7時16分は近鉄奈良行きから大阪難波行きに変更、神戸三宮発8時15分は近鉄奈良行きから大阪難波行きに変更された。大阪難波着7時55分の快速急行は大阪難波から普通東花園行きとなる。大阪難波着8時48分の快速急行は区間準急大和西大寺行きとなる。

上り快速急行は神戸三宮発10時07分の列車までは今津、武庫川を通過する。上り快速急行は6両編成で運転されており、尼崎での増結作業はない。ラッシュ時の上り方面での増結はなく、逆方向となる下り方面で解結作業が行われている。阪神なんば線での10両編成運転はなんば線のラッシュ対応ではなく、近鉄奈良線のラッシュ対応のため行われているので、このような上下逆となるケースが生じている。ラッシュ時間帯は阪神車が中心に運用されており、近鉄車は近鉄奈良線側の通勤輸送を主体に運用されている。

6．区間急行

8213F区間急行大阪梅田

区間急行は甲子園始発で運転されている。2020年3月14日ダイヤ改正で、ピーク前に青木始発の列車が2本新設された。6時台には急行が運転されており、区間急行は尼崎着7時台以降の運転となる。区間急行は青木から芦屋、西宮、今津、甲子園、鳴尾武庫川女子大前、武庫川、尼崎、千船、野田、福島に停車する。西宮以西では区間特急よりも停車駅が少なく、下克上状態になっている。もっとも西宮以西で運転される区間急行は区間特急運転前の設定となっているので、利用者が混同する心配はない。甲子園始発の区間急行は直通特急通過後2分続行で運転される。区間急行は鳴尾武庫川女子大前、武庫川に停車するため、尼崎出発時点では後続の区間特急と4分差まで追いつめられる。区間急行と尼崎で連絡する普通が区間特急の2分前を走っており、この電車が千船まで先行するため、区間急行は大阪梅田まで区間特急から逃げ切るダイヤになっている。区間急行も全て6両編成で運転されている。

7．普通

5721F普通大阪梅田

普通は高速神戸～大阪梅田間の運転で、12分毎に運転されている。普通は各所で優等列車を2～3本待避するダイヤになっている。昼間は10分毎となっているため、昼間よりもラッシュ時の方が運転本数が少なくなるという奇妙な現象が発生している。基本的には優等列車停車駅間のフィーダー輸送のため、大勢には影響ないのだろうが、優等列車の恩恵を受けない尼崎～大阪梅田間の普通しか停まらない駅は不便である。2009年3月20日ダイヤ改正以前は普通を補完する準急が運転されていたり、それ以降でも尼崎～梅田間の区間普通が設定されていたが、2012年3月20日ダイヤ改正で区間普通は姿を消して、現在の運行体系に落ち着いている。比較的利用者が多い杭瀬や姫島から大阪梅田へ向かうには不便なダイヤになった。普通は全てジェットカーと呼ばれる専用車で運用されており、全て4両編成で運転されている。高加減速のジェットカーを使用していても、その性能がATSにより制限されている部分があり、優等列車のスピードダウンの要因にもなっている。阪神のATSは阪急と同等のAF軌道回路方式を採用している。阪急神戸線などと同じ更新を行えば、ジェットカーの性能を余すことなく引き出せるようになる。阪急と同じグループになったのだから、同等のATSを導入するには技術的な問題はないはずである。資金的な問題はあるだろうが、ATS更新時には阪急と同様に改良して朝ラッシュ時のスピードアップを行って欲しいものだ。