1.概要
京阪線では1974年(昭和49年)以降、架線電圧1,500Vへの昇圧に伴い既存車両の改造が進められたが、吊り掛け車は全廃方針とされ対象外であった。
しかし、700系(2代)は車体が新しく状態も良好であったことから、車体を流用して新製機器と組み合わせ、冷房化および昇圧対応を施した上で継続使用する方針に変更された。これにより1977年から1978年にかけて、7両編成6本(計42両)が新製名義で落成し、本系列(1000系)が誕生した。
改造にあたっては書類上・銘板とも新製扱いとされたが、車外銘板は700系時代のものが残されており、出自を確認することができる。なお、700系自体も旧1000形・1100形・1500形を種車としており、本系列は再び1000番台を名乗ることとなった。
| 会社名 | 京阪電気鉄道 |
| 形式 | 1000系 |
| 使用線区 | 京阪本線・鴨東線 |
| 制御方式 | 界磁添加励磁制御1C8M |
| 主電動機 | 直流直巻電動機 定格155kW |
| ブレーキ | 回生ブレーキ優先全電気指令式空気ブレーキ |
| 台車 | KS77A・FS399 |
| 最高速度 | 110km/h |
| 加速度 | 2.5km/h/s |
| 減速度(通常) | 4km/h/s |
| 減速度(非常) | 4.5km/h/s |
| 製造初年 | 1977年 |
| 電気方式 | 直流1500V |
| 軌間 | 1435mm |
| 保安装置 | ATS |
| 座席定員 | 48(140) 先頭車 |
| 52(150) 中間車 | |
| 扉枚数/座席形状 | 18m級3扉ロングシート |
| 所属 | 寝屋川車庫 |
| 編成 | 7両 |
| 既存両数 | 42両 |
| 製造メーカー | 川崎重工 |
2.車体
車体は700系(2代)当時の仕様を基本的に踏襲しており、裾絞りのない車体、2連ユニット窓、幅1,200mmの両開扉、大型の扉窓などの特徴を有する。
外観上の変更は、前面貫通幌の撤去、行先・種別表示幕の新設、前照灯のシールドビーム化程度にとどまる。一方、冷房化に伴い天井構造が変更され、照明は中央1列から左右2列配置へ改められた。補助送風機にはラインデリアと回転グリルを併用し、京阪冷房車の標準仕様に準じている。
3.主要機器
本系列では車体と対照的に、主要機器は全面的に新製された。
主制御器は1C4M方式の東洋電機製ACDF-H4155系を採用し、600V・1,500Vの両電圧に対応する単車昇圧方式とされた。直並列制御は行わず、直列多段制御と弱め界磁制御を組み合わせている。
主電動機はTDK-8120A1形を採用し、昇圧後は出力155kWへ向上した。
冷房搭載に伴いパンタグラフは下枠交差形へ変更され、台車は5000系に準じた空気ばね台車を装着した。制動装置は発電制動併用の電気指令式空気ブレーキを採用している。
| 1000系編成表 | 7両編成 | 42両 | ||||||
| ←出町柳 | 淀屋橋→ | |||||||
| 1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | ||
| 1500Tc | 1100M’ | 1200M’ | 1600T | 1100M’ | 1200M’ | 1500Tc | 製造年月 | 廃車年月 |
| 1501 | 1101 | 1201 | 1651 | 1151 | 1251 | 1551 | 1977年3月 | |
| 1502 | 1102 | 1202 | 1652 | 1152 | 1252 | 1552 | 1977年6月 | |
| 1503 | 1103 | 1203 | 1653 | 1153 | 1253 | 1553 | 1977年8月 | |
| 1504 | 1104 | 1204 | 1654 | 1154 | 1254 | 1554 | 1977年11月 | |
| 1505 | 1105 | 1205 | 1655 | 1155 | 1255 | 1555 | 1978年1月 | |
| 1506 | 1106 | 1206 | 1656 | 1156 | 1256 | 1556 | 1978年3月 | |
4.導入後の変遷
昇圧対応
1983年の1,500V昇圧時には、結線変更など最小限の改造で対応し、継続使用された。
特別塗装
1989年から1990年にかけて開催された「花の万博」に際し、1001編成が特別塗装「はな号」として運行された。
車体改修工事(更新)
1991年以降、車体更新工事が実施され、制御方式は1C8M化・界磁添加励磁制御・回生制動対応へと大幅に近代化された。これに伴い編成構成も変更され、付随車の電動車化などが行われた。
冷房装置は高出力型へ換装され、前面デザインも大幅に変更されたほか、内装も6000系に準じた暖色系へ改められた。さらに、自動放送装置や戸閉予告ブザーの設置など、サービス面も向上している。
その後の動向
2000年代以降は塗装変更や設備更新が進められ、無線機器の搭載なども実施された。
本系列は吊り掛け車改造を起源としながら、二度の大規模更新を経て長寿命化が図られ、2026年現在も42両が在籍している。
- 1501F
- 1502F
- 1503F
- 1504F
- 1505F
- 1506F

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